50代職人も迷わず使う「SynQ Remote」の導入事例
株式会社クアンドが提供する遠隔支援ツール「SynQ Remote」。このサービスが、マンションリノベーションを手掛ける株式会社groove agent(以下、ゼロリノベ)に導入され、業務のDX化を進める一助となっています。2024年7月から本格運用が開始されると、施工管理業務の効率化を実現し、現場訪問回数を約30%削減する見込みです。特に、50代の職人でも簡単に操作できるよう工夫されており、業務の質とスピードが変わります。
現場の広域化がもたらした教育・品質管理の課題
ゼロリノベでは、施工管理者1人が3件から5件の現場を担当する方針を打ち出していますが、首都圏に点在する現場への移動が、業務効率を圧迫していました。若手職人の教育や品質管理が属人的になってしまい、社内での経験則が依存される問題が浮上。このような状況の中、同社が全社的にフルリモート勤務に移行したことによって、現場状況を正確に把握する必要が高まっていました。そこで、「見に行かないと判断できない」という課題に対処すべく、ダイレクトな遠隔の可視化が求められました。
「電話や写真だけでは伝わらない『現場の違和感』をどう可視化するかが、私たちのスタート地点でした」と、DX推進担当の鴨志田氏は述べています。
「使われ方を設計する」シンクリモートの優れた特徴
シンクリモートは、アプリ不要でQRコードを用いて簡単に接続が可能という点が、導入の決め手となりました。現場や顧客に無理なく利用してもらうためのデザインが施されています。その結果、50代の職人でも迷わず使える運用体制が整えられ、職人たちのスムーズな導入が実現しました。
その具体的な工夫は以下の通りです:
1.
QRコードを3面に掲示:移動する際に確実に目に入る場所に設置し、接続のしやすさを向上。
2.
初回同伴接続:初回は現場で一緒に接続し、「思ったより簡単」と感じてもらう体験を提供。
3.
簡易マニュアル掲示:操作方法をシンプルにまとめ、「読み取る」と「指す」の2ステップに。
4.
URLによる入室の徹底:アカウント登録やパスワード管理を不要にし、誰でも簡単に接続できるルールを確立。
現場訪問の大幅削減と生産性向上
このシステムを導入した結果、現場訪問回数が約30%削減されました。若手社員が現場の映像を共有し、上司が遠隔で指導を行うことで、リアルタイムで技能の継承が可能になっています。動画を介して全体を確認できるため、材料不足や工程抜けの早期発見にも寄与し、手戻りや再訪問を減少させることに成功しました。
短時間で何度も接続することによって「見に来ない=見ていない」から「見てくれている」という信頼関係が築かれ、現場側の意識にもポジティブな変化が現れています。週2回の活用レビューを通じて、利用目的を記録し、社員同士で共有することで、DXは仕組みとして着実に根付いています。
今後の目標と展望
今後の目標は、下地検査や是正対応の完全遠隔化と訪問削減率50%超を狙うことです。また、名刺にQRコードを印刷することで、社外の協力会社とも即接続できる環境を整備する計画です。
「名刺のQRをかざせばすぐつながる。そんな