NECが北九州高専で実施した生成AIを活用した問題解決型学習
2025年6月18日、NECは北九州工業高等専門学校にて、
高齢化社会における自治体の課題に取り組む講義を行いました。この講義では生成AIを活用した
問題解決型学習(PBL)が実践され、学生たちは実際に社会価値を創造する体験をしました。
生成AIによる革新的な学習法
講義の中では、NECが開発した生成AIを使用し、特別な教材を用いずにトランプカードを組み合わせるという新しい学習手法が導入されました。これにより、学生は
「ペルソナ」「課題」「パートナー」「ジョブタイプ」についての情報を用いて、創造的思考を促されながら問題解決に挑戦しました。
問題解決のためのテーマは、
高齢者、介護従事者、自治体職員などさまざまなペルソナに関する課題から選ばれました。学生たちは、重要な問題を選定し、自らのアイデアを発展させる過程を重視しました。この手法は、従来の座学では体験できない実践的な学びの場を提供しました。
チームでの共同作業
学生はグループに分かれ、チームワークを活かして解決策を考案しました。各ラウンドでは、
ペルソナに合った課題から始まり、次に
パートナーやジョブタイプを加えて具体的な解決策を提案しました。最終的には、各チームが考え出したソリューションのプレゼンテーションを行い、NECの専門家からフィードバックを受けました。
学生たちの提案内容は、例えば
AIを活用した見守りサービスや
世代間交流プラットフォームなど、実用的かつ市場性のあるものでした。これにより、ビジネスと社会的ニーズの両方に応える解決策についての理解が深まりました。
教育効果と学生の声
今回の取り組みは、学生にとって非常に価値のある体験でした。参加した学生の多くは、グループ内での意見交換や仲間との協力が、自身のアイデアを広げる助けになったと語っています。「課題解決策を話し合うことで多様な視点が得られ、新たなアイデアに刺激を受けました」「専攻での違いを生かしながら意見をアウトプットできたのが嬉しかった」といった感想が寄せられました。
また、NEC社員からのサポートを受けることで、企業活動に関連する細かい条件を考慮しながら自らの提案を検討する貴重な体験も得たようです。
教員の評価と今後の展望
北九州工業高等専門学校の教授である久池井茂氏は、学生たちが社会課題の本質を理解し、実践的な思考力を身につけたことを高く評価しています。企業視点に触れることで、学生たちの学びが更に社会に根ざしたものになるとの期待が寄せられています。
NECは今後も全国の高専との連携を強化し、次世代の人材育成と社会課題の解決に貢献していく予定です。生成AI技術を活用した教育の可能性は、今後も多くの学生に新たな学びの形を提供し続けることでしょう。