量子計算時代に備える！PQ移行タスクフォース発足の意義とは

量子計算機時代に向けた新たな一歩

一般社団法人デジタルトラスト協議会（以下、協議会）は、ポスト量子計算機暗号（PQC： Post-Quantum Cryptography）への移行に向け、「PQC移行タスクフォース」を発足させました。この取り組みは、暗号技術の進化と、量子計算時代に備えるための重要なステップと位置付けられています。

背景：量子計算機の進化

近年、量子計算機技術の研究開発が急速に進展しており、特に暗号解読に使用される可能性のある量子計算機（CRQC： Cryptographically Relevant Quantum Computers）の実現が注目されています。これに伴い、従来の暗号方式が脅かされるリスクが高まっています。実際、2035年を見据えた国際的な取り組みは進んでいますが、計画的な移行には相応の時間を要するとの見解もあります。

従来の暗号方式の移行は、主に計算機の性能向上に基づくものでした。しかし、PQCへの移行は鍵長の延長にとどまらず、データ量やデータ形式、通信プロトコル、そしてシステムの暗号レジリエンスなど、より多面的な改革を要求されています。

タスクフォースの目的

この新たに設置されたタスクフォースは、他国における移行計画を参考にしながら、日本の民間セクターに適した具体的なガイドラインを構築することを目指します。確かに移行の正確なタイミングを予測することは難しいものの、早期の取り組みが不可欠であるとの認識が強調されています。

企業との連携

タスクフォースは、産業界や関連団体と協力しながら、実務的かつ現実的なガイドラインの策定に着手します。これにより、企業が迅速に対応できるよう支援することが期待されています。ガイドラインは、量子時代に対処するための基本的な枠組みを提供するものと位置づけられ、新しい技術に即した暗号化の運用がスムーズになることが目的です。

企業や団体は、この取り組みに参加することが奨励されています。量子計算時代を見据えたプロジェクトに関心がある法人は、ぜひタスクフォースにご参加いただければと考えています。