補聴器の効果測定ができる「ほちょうきカー」の開発
補聴器の適切なフィッティングが行われるために、さまざまな取り組みが行われていますが、その中でも「ほちょうきカー」は特に注目を集めています。これは、補聴器フォーラム東海、MONET Technologies株式会社、損害保険ジャパン株式会社、株式会社ATグループが共同で開発した、補聴器の効果測定が可能な車両です。この車両は、正確な測定を行うための特殊な音響設計が施されており、音の反響を抑えた環境を提供します。
トヨタ自動車株式会社の「ハイエース」を基にしたこの車両は、山間部や離島、さらには患者の自宅付近まで出向くことが可能です。これにより、音響測定を行う医療機関や介護施設から遠く離れた地域に住む高齢者にも、質の高いサービスが提供されることになります。
高齢者の難聴とその対応
特に高齢者に多い難聴は、周囲の音情報が制限されることによって、交通事故のリスクを高める要因とされています。さらに、最近の研究報告では、難聴が認知機能の低下に繋がる可能性が指摘されています。この背景には、Lancetの報告があり、難聴は重要な修正可能なリスク要因であり、補聴器の使用が認知機能の維持に寄与するとされています。このことからも、補聴器の効果的な使用はますます重視されています。
「ほちょうきカー」の役割
この「ほちょうきカー」は、言語聴覚士や認定補聴器技能者によって操作され、介護施設や患者の自宅などに直接訪問し、聴力や補聴器の効果を正確に測定する機能を持っています。また、医療機関の医師とオンラインで接続し、遠隔診療が可能になるため、医療のアクセス向上にも貢献します。これにより、補聴器を必要とする高齢者がより高い満足度で補聴器を活用できるようになります。
今後の展開として、2026年度から東海地域および首都圏での実証実験が計画されており、医療機関や認定補聴器販売店、介護サービスを提供する企業と連携して行われる予定です。これにより、補聴器に関する医療相談会などのイベントも実施される計画です。
各社・団体の役割
「ほちょうきカー」は、いくつかの企業と団体の協力により実現しました。補聴器フォーラム東海は車両開発の監修や情報提供を行い、MONETは医療MaaSに関する知見を提供し、損保ジャパンはプロジェクトの推進やリスクマネジメントを担当しています。ATグループは車両の提供や地域ネットワークの構築支援を行っており、それぞれの役割が重要な役割を果たしています。
「ほちょうきカー」は、今後、多くの高齢者に対して補聴器の効果を最大限に引き出すための道を切り開いていくことでしょう。質の高い聴覚支援が、地域全体で実現することが期待されます。