AIを活用したロールプレイングの新時代
株式会社NTTドコモは、全国のドコモショップで2025年10月6日より新しいAIロールプレイングシステム「AIロープレ」を導入することを発表しました。このシステムは、受講者があらかじめ登録されたシナリオに従ってAIアバターとロールプレイングを行い、終了後にはAIが自動で応対内容を採点しフィードバックを提供します。この新たな方式は、従来の人手に頼った育成方法を大きく変える可能性を秘めています。
AIロープレのユニークな特長
AIロープレは、NTT人間情報研究所が開発した次世代メディア処理AI「MediaGnosis」や最新の音声合成技術を活用しており、その結果、非常にリアルな対話を実現しています。特に注目すべきは以下の特長です:
1.
模範スタッフの応対ノウハウをシナリオ化
新人スタッフ向けや中堅スタッフ向けの7種類のシナリオを用意し、AIを相手にした実践的な応対練習が行えます。実際のお客さま応対の流れを把握することで、効果的な学習が可能です。
2.
AIによるフィードバック機能
ロールプレイング後のフィードバックはAIが行うため、育成担当者によるばらつきや主観的評価を排除し、客観的な評価が得られます。また、録画と文字起こしが行われるため、受講者は自分の応対を振り返ることができ、さらなるスキル向上が期待できます。
3.
多様な利用シーンに対応
パソコンやタブレットで利用可能で、短時間で実施できるため、業務の合間に効果的に学ぶことができます。
效果と期待
2025年2月から試験的に実施されたトライアルでは、新人スタッフからは「AIを相手に何度も練習できる」という声や、育成担当者からは「ロールプレイ相手の時間を削減できた」という好評価が得られました。このシステムにより、育成担当者にかかる負担が大幅に減少し、さらなる業務効率化が期待されています。月平均で5時間の時間を削減でき、これが年間で合計60時間になる見込みです。このように、育成担当者が多くのお客様に対応できる時間が増えることで、全体のサービス品質向上にも寄与します。
今後の展望
NTTドコモは、AI技術の導入を進めることにより、ドコモショップの応対品質を向上させると共に、スタッフ育成の効率化を続けていく考えです。今後、全国2,048のドコモショップでの導入により、AIロープレがどのように現場で活用され、さらにどのような成果を上げるのかが楽しみです。スタッフがAIを通じてどのように成長し、顧客に提供するサービスがどのように変わるのか、我々もその進展を注視していきたいと思います。