8000㎞離れた場所からの建機操縦に成功
ハイテクインター株式会社は、国立研究開発法人土木研究所や株式会社ジツタ中国と共同で、8000㎞離れた地点から建機を操縦する技術の実証に成功しました。この技術は、施工現場と操作卓の両方に低軌道衛星通信端末であるStarlink Miniを使用して行われます。これにより、遠隔地からの建機操縦が実現し、今後の建設業界に革新をもたらす可能性があります。
1. 業界の背景と目的
建設業界では、パンデミックの影響で労働者が不足するという深刻な問題に直面しています。このため、作業員の不足を補うためには、自動化やリモート施工が重要な役割を果たすと考えられています。特に、災害現場や山間部のように通信インフラが整備されていない地域においては、Starlinkのような低軌道衛星通信回線の利用が期待されています。
2. 遠隔施工の課題
遠隔施工を実現する際には、通信回線の帯域や安定性、映像の遅延が施工の効率に大きく影響します。ハイビジョンクラスのカメラ映像を複数チャネルで伝送する際、パケットロスや映像品質の劣化が避けられませんでした。そこで、ハイテクインターは「BAERTⓇ」という新技術を開発しました。この技術により、伝送エラーがあっても低遅延で高品質な映像を伝送することが可能になったのです。
3. 技術的アプローチ
「BAERTⓇ」技術は、ネットワークの帯域が動的に変動しても最適な映像符号化を行います。例えば、ネットワークが混雑して帯域が急激に低下したときでも、映像が停止したり劣化したりすることがありません。また、帯域に余裕がある場合には、画質を向上させることができます。これにより、遠隔操作の違和感を最小限に抑えることが実現しました。
4. 実証実験の詳細
実証実験はつくば建設DX実験フィールドで行われました。ここでは、4台のハイビジョンカメラを搭載した建機に加え、俯瞰用カメラを設置し、合計5台のカメラ映像をStarlink Miniを通じてオーストラリアの実験場に伝送しました。結果として、国内での遠隔操縦と同じ感覚で建機を操縦することに成功しました。
5. 今後の展望
ハイテクインターは、今回の成功を受けて、今後も国内外の施工現場での実証を進め、遠隔施工技術の更なる向上を目指します。これにより、建設業界におけるデジタル化を推進し、効率的かつ持続可能な施工方法を開発していく予定です。
この技術革新によって、効率的で安全な建設作業が行える未来が期待されています。