ペリオセラピア、週刊東洋経済の「すごいベンチャー100」で選出された理由とは

ペリオセラピア株式会社が、2024年版の週刊東洋経済「すごいベンチャー100」において、創薬部門に選出されました。この特集は、資金調達の規模やテクノロジーの独自性を基に、国内の注目ユニコーン企業が選ばれるもので、ペリオセラピアの抗体医薬品開発が高く評価されたことを示しています。

ペリオセラピアは、大阪大学医学部の特任教授である谷山義明氏により、2017年に設立された創薬ベンチャーです。主に心臓弁形成や創傷治癒に関与する細胞外マトリックスタンパク質「ペリオスチン」を研究の中心に据えており、病的ペリオスチンが乳がんや糖尿病性網膜症、心筋梗塞などの難治性疾患に関与していることを明らかにし、その医薬品開発に注力しています。

特に注目するべきは、乳がんの中で治療が困難な「トリプルネガティブ乳がん（TNBC）」へのアプローチです。このがんは若年層、特に40代未満の子育て世代に多く見られ、5年生存率が50%以下という高い危険度を伴います。ペリオセラピアは、このTNBCの治療に向けた新しい抗体医薬品の開発に取り組んでおり、疾患の早期発見と治療が期待されています。さらに、治療薬開発に加え、コンパニオン診断薬の開発も進めていることで、治療効果の向上と新規パイプラインの拡充を目指しています。

国立研究開発法人の日本医療研究開発機構（AMED）の支援を受けて、ペリオセラピアは第一適応症に関する日米臨床試験の実施に向けた資金も確保しています。これは、グローバルなスペシャリティファーマとしての成長に向けた重要な一歩です。このように、ペリオセラピアは難治性疾患に対する新しい治療法の創出を目指し、先進的な研究を行っている企業として、今後の成長が期待されます。

本社は大阪府吹田市に位置し、代表取締役は栃原洋介氏です。公式ウェブサイトでは、これまでの研究や開発計画について詳しい情報が提供されています。抗体医薬品の市場が注目される中、ペリオセラピアの動向から目が離せません。