Green Carbon、タイにおけるAWD実証プロジェクトを発表
Green Carbon株式会社は、タイにおける水田に実施した間断灌漑(AWD)の実証プロジェクトの成果をまとめた「AWD Project Report: Thailand 2025」を発表しました。このレポートでは、AWDの実施により得られたメタン排出削減効果、農業収益への影響、および将来の大規模展開に向けた設計を詳細に紹介しています。これによりタイ国でのAWDの実装可能性について環境価値、経済性、さらには投資適格性の観点から分析されています。
タイにおけるAWDの重要性
タイは世界的な米の生産・輸出国であり、その農業部門は国内の温室効果ガス(GHG)排出量の約18%を占めています。このうち、稲作による排出が約半分を占めており、稲作における気候変動対策は極めて重要です。最近では、日タイ二国間クレジット制度(JCM)やシンガポールとの国際クレジット移転の枠組みなど、カーボンクレジットに関する制度が整備されつつあります。これにより、タイ国内で創出されたクレジットを、国際的に需要のある市場で活用する可能性が高まっています。
プロジェクトの概要と成果
Green Carbonは、タイ国内の様々な地域でレベルの高い大学や現地の農家と協力し、AWDの実証プロジェクトを進めてきました。このプロジェクトでは、以下の要素に注目してデータの収集を行いました。
- - 水位管理用のパイプ設置
- - 農家へのAWDトレーニング
- - メタン排出量を測定するためのチャンバーの使用
- - 収量、品質、コストに関するデータ収集
- - 農家アンケート・ヒアリング調査
具体的な成果
1.
メタン排出削減効果
AWDAWD導入によって、メタンの排出量を平均で約49%削減しました。これは、2.97 tCO₂e / ha / seasonに相当し、国際クレジットの創出を見据えた信頼性あるデータとして評価されています。
2.
収量と農家収益への影響
多くの農家で収量の増加が確認され、ある農家では水田の収入が前年の130%を超えるという成果を上げました。この農家は約100,000THB(約3,200USD)の増収を達成しました。
3.
農家の受容性
プロジェクト参加者の全員がAWDの継続を希望しており、水使用量の削減や収量改善、環境貢献への評価が高いことが分かりました。
今後の展望
Green Carbonは、タイにおけるAWDプログラムの段階的な拡大を目指しています。目標としては、プロジェクトあたり最大50,000haにわたる水田で、年間5 tCO₂の削減を見込んでおります。2030年までには、個々のプロジェクトで約100万tCO₂の削減を達成することが目標です。今後もJCM、Article 6(シンガポール向け)、DCCEルール等の条件に応じての拡張が期待されています。
AWDプロジェクトレポートのダウンロード
本レポートは、タイにおける稲作とGHG排出の背景、AWDの実証結果、農家の受容性分析といった内容を詳しくまとめています。レポートは以下からダウンロードできます。
AWD Project Report: Thailand 2025
Green Carbonの今後の展開にご注目ください。彼らの活動は、環境に配慮した農業を実現するだけでなく、農家の収益向上にも寄与する重要なプロジェクトです。