保育園におけるICT活用の進展状況と課題
2025年の保育園におけるICT活用に関する調査が、株式会社明日香の「子ねくとラボ」によって実施され、その結果が発表されました。本調査は、2022年のデータと比較しながら、保育現場における情報通信技術(ICT)の導入状況とその影響を明らかにすることを目的としています。保育園でICT関連業務に関わる104名を対象にしたこの調査結果は、今後の保育形態や運営のあり方に大きな示唆を与えています。
調査結果の要点
ICTデータ活用の増加
調査によれば、約88.5%もの保育園がICTデータを「運営改善や保育の質向上」に活用しており、これは2022年の73.6%から14.9ポイントの増加を見せています。また、約8割強の保育園が、収集したデータの分析や振り返りを行っていることも明らかになりました(2022年比9.3ポイント増)。
必要とされるデータの種類
今後も収集したいデータとして「子どもの生活リズム」が66.3%、「子どもの食物アレルギー」が52.9%、さらには「子どもの健康状態」が47.1%と回答されています。これは2022年と比べ、特に生活リズムに対する関心が高まっていることを示します。
ICT導入に関する課題
一方、ICTの導入においては様々な課題も浮上しています。「職員の理解・協力が得られない」との回答が50%を占め、さらに「導入・運用コストが高い」という課題も44.2%と高い割合を示しました。また、操作が複雑で使いこなせないことも43.3%の保育園で課題とされています。
データ分析の質
収集したデータをもとに保育の質を向上させるために、実際にどのようなアプローチが行われているかも注目されます。調査に参加した園では、データを活用しながら個々の園児に合った保育環境を整備しているとしています。その外にも保育士の職場環境の改善や、保護者への支援向上にデータが使われていることも明らかとなりました。
今後の展望
保育の質向上を目指すためには、ICTをもっと有効活用することが必要不可欠です。保育業界が抱えるこれらの課題を解決し、現場でのデジタルトランスフォーメーションを推進する具体的な施策の実施が求められます。特に、職員のICTに対する理解と協力を得るための取り組みが重要です。
「子ねくとラボ」所長の見解
ICT技術や生成AIの進展は目覚ましいものがありますが、それをどのように保育に役立てるかがポイントです。そのためには、保育者自らがこれらの技術を積極的に利用し、テクノロジーと人の手がうまく融合する環境を整える必要があります。これにより、より柔軟で多様な保育が実現できるでしょう。
まとめ
今回の調査結果からは、ICT導入が進展している保育園が多い一方で、職員の協力やコストなどの課題が色濃く浮かび上がっています。今後も「子ねくとラボ」などが提供する研究や実践を通じて、保育界全体がより良い方向へと進化することが期待されます。私たちは、ますますデジタル化が進む中でも、保育の本質を忘れず、質の高い保育を実施していくことが求められています。
調査詳細については、
こちらからご覧いただけます。