エプソンブランドの50周年とその歩み
2025年の6月12日、セイコーエプソン株式会社はエプソンブランドの50周年を迎えます。これまで多くのお客様に支えられ、愛されてきたエプソンブランドへの感謝の気持ちを込めて、私たちは新たな挑戦を胸に抱いています。この記念すべき節目において、ブランドの意味を再評価し、今後も期待を超える驚きや感動をお届けできるよう努力していく所存です。
ブランドの原点と技術革新
エプソンの歴史は1942年に始まります。創業以来、ウオッチ製造で培った「省・小・精の技術」を基本に、1968年に小型軽量デジタルプリンター「EP-101」を世に送り出しました。その後、1975年にブランド名を「EPSON」と制定。この「EP」は「Electric Printer」の略であり、その理念を基にエプソンブランドは発展を遂げてきました。
この50年間で、エプソンはプリンティングソリューションズにおいて数々の革新を実現してきました。1980年にはコンピューター用小型軽量プリンターを発売し、1993年にはマイクロピエゾ技術を搭載したインクジェットプリンター「MJ-500」をリリース。さらに、世界初の720dpi印刷を実現した「MJ-700V2C」により、多くの家庭に高画質プリントの文化を広めました。
グローバルな成長と市場ニーズへの対応
エプソンはこれまで、多様な市場ニーズに応じて進化を続けてきました。2010年には、新興国市場向けに大容量インクタンク搭載プリンターを導入し、世界160カ国で販売し続けており、これまでに累積販売台数は1億台を超えています。この成功の背景には、革新的なマイクロピエゾ技術の進化があり、現在ではPrecisionCoreという次世代プリントヘッドが多様な製品群を支えています。
また、エプソンはオフィス向けにインクジェット複合機の開発にも力を入れ、2017年には高速ラインインクジェット複合機「LX-10000F」を誕生させました。これにより、オフィスや商業領域での印刷効率が飛躍的に向上しました。
ビジュアルコミュニケーションの革新
エプソンの液晶技術は、1989年に小型フルカラー液晶ビデオプロジェクター「VPJ-700」の発売に始まりました。1994年には、業界最高の明るさを誇るプロジェクターを開発し、さまざまなビジネスシーンで活用されるようになっています。この技術は、品質の高い映像を提供し、プレゼンテーションや広告、さらに文化遺産のプロジェクションマッピングにも広がりを見せています。
マニュファクチャリングとロボット技術
創業当初から、エプソンは時計製造の生産効率向上を追求してきました。1983年には、高精度・高速の水平多関節型ロボットを誕生させ、製造業全体で幅広く利用されています。エプソンのスカラ型ロボットはその特性から、様々な業界で採用され、現在では産業用ロボット市場においてトップシェアを誇っています。
さらに、水晶デバイスの生産にも力を入れており、これらはスマートフォンやウエアラブル機器、さらには農業分野やインフラ監視システムなど、幅広い用途で活用されています。エプソンは高い精度と省エネルギー性を兼ね備えた製品を提供し続けています。
未来への展望
エプソンは、今後もお客様の期待に応えるために、価値ある製品・サービスの提供に努めてまいります。グローバルな生産・営業拠点を整備し、地域に密着した事業展開を続けることで、現地ニーズに応じた製品をタイムリーに届けられる体制を強化していきます。
私たちのパーパスは『省・小・精から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る』です。この理念を基に、エプソンは進化し続け、未来のための技術革新を追求していきます。これからも、エプソンにご期待ください。