新たなポジティブ終活の普及へ
一般財団法人ウェルネスサポートLab(以下、ウェルサポ)が、「2024年度ニッセイ財団高齢社会地域福祉チャレンジ活動助成」に採択されたことを発表しました。この助成を受けて、2024年11月から「ALPから始めるポジティブ終活の普及とネットワークづくり」という新しい事業をスタートさせます。
この取り組みは、地域住民がポジティブな姿勢で終活に取り組めるよう支援することを目的としています。具体的には、ALP(Advance Life Planning)を実践するためのガイドブックを作成し、それに基づく終活支援人材の養成やネットワーク形成を行います。
終活の新たな価値観と挑戦
ウェルサポは、終活に対する一般的なネガティブなイメージを覆すことを目的としています。終活とは「亡くなったときのための準備」と捉えられがちですが、ウェルサポは、より積極的に自分らしい人生を考える活動として捉えています。このビジョンの下、地域内で信頼できる支援者が存在することを目指し、当事者やその家族が住み慣れた場所で自分らしく生きることができる環境を整えます。
事業の概要
事業は2年間にわたり実施され、具体的には以下の内容が計画されています。
ALP実践のためのガイドブックを作成し、支援者向けの「ALPから始める価値観ワークの終活講座」を開催します。この講座では、終活の概要やALPの基礎を学んだ上で、実際に自分の価値観を整理するワークショップを行います。
作成したガイドブックを活用し、福岡市内においてネットワーク協力者向けの体験講座を実施します。また、講座を受講した人々による市民向け講座の案内も行います。
終活の意義と今後の展望
ウェルサポが考える健康とは、病気の有無に関係なく、周囲と協力しながら柔軟に対応できる状態を指します。終活は、そんな「健康的な生き方」の延長線上にあると捉えられており、支援を通じて人々が自分らしい生き方や死に方を自覚する手助けを行います。
また、今後地域内での終活に取り組むための制度づくりや、住民同士の関係性構築を進めていく方針です。その結果、ネガティブなイメージの強い終活が、よりポジティブな活動として社会全体に広がることが期待されています。
終活を支援する責任者からのメッセージ
吉武ゆかりさんは、20年間の終活サポート経験を通じて、自分らしく生きることの意義を語ります。「ALPへの日常的な取り組みが、自分らしい最期を迎えるための礎となる」と、その信念を表明。また、代表の笠淑美さんも、終活を通じて社会との関わりが深まることを願い、活動の重要性を強調しています。
結論
終活という言葉に対するマイナスのイメージを打破し、地域でのポジティブな取り組みとして「ALPから始めるポジティブ終活」を広めていくウェルサポの試み。新しいガイドブックと支援者ネットワークの構築がどのように地域社会の未来を変えていくのか、今後の展開が楽しみです。