NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、遠隔3DCAD作業の成功
2025年12月4日、NTTドコモビジネス株式会社とダッソー・システムズが共同で、世界初となる製品開発におけるリアルタイムな3DCADの遠隔共同作業の実証に成功しました。この技術は、IOWN® APNを最大限に活用した新たなもので、製造業界において画期的なボトルネックを解消するものと期待されています。
背景
近年、製造業では3DCAD(3次元コンピューター支援設計)が広く利用されるようになり、そのデザインデータは数GBから数十GBに及ぶこともあります。これにより、データの圧縮が難しく、遠隔地の作業者同士がリアルタイムでの共同作業を行うことは困難でした。そのため、設計レビューには関係者が集まる必要があり、移動にかかるコストと時間が悩みの種となっていました。
実証の詳細
この新しい実証は、東京の武蔵野市の東京第11データセンターと大手町のOPEN HUB ParkをIOWN® APNで接続し、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームを活用しました。両拠点間で、数千から数万個の高精細な3DCADデータやPLMデータをサーバーからダウンロードし、共同編集環境を構築しました。
この実証により、従来のインターネット環境と比較して、データ更新の速度が最大500%向上し、ほぼ遅延のないリアルタイムの同期が可能であることが確認されました。これにより、参加者はまるで同じ空間で作業しているかのように感じられる環境が整いました。
各社の貢献
- - NTTドコモビジネス: 実証に必要なインフラ環境を構築し、データセンターとOPEN HUB Parkを接続するIOWN® APNを提供しました。
- - ダッソー・システムズ: 3D設計環境やソフトウェアの設定を担当し、システム全体を一括して管理しました。
今後の展望
本実証は、製造業界をスタート地点とし、今後はさまざまな業界へと展開が期待されます。IOWN Global Forumへの参加を通じて、ダッソー・システムズは4Dデジタル基盤の協業を進め、さらなるイノベーションを促進します。この革新的な構想の実現により、あらゆる業界でのデジタルツインの形成が促進されることが期待されています。
また、両社の連携をより強化するため、AI-Centric ICTプラットフォームの導入も視野に入れ、生産性の向上と業種全体のデジタル化に努めていきます。
まとめ
NTTドコモビジネスとダッソー・システムズが実施したこの新たな試みは、業界の常識を覆す革新であり、未来の製造業や他の産業に新たな可能性を切り開くものです。今後の進展にぜひ注目したいところです。