埼玉県の災害に対する備え
埼玉県では2024年1月、能登半島地震の際に経験した断水問題を踏まえ、災害時の水の供給を確保するための応急給水訓練を実施します。この訓練の目的は、災害が発生した際の住民の生活用水を適切に確保することです。
訓練の背景
昨年発生した能登半島地震では、水道施設に大きな影響があり、多くの地域で長期間にわたって水道が使用できなくなるという事態が発生しました。これに対応するため、埼玉県企業局は、各種の災害対策を強化する必要性を強く感じ、今回の訓練を企画しました。特に、応急給水の重要性が再認識されています。
応急給水に関する協定
埼玉県管工事業協同組合連合会と締結された協定では、災害発生時に市町から応急給水の要請があった場合の支援内容が定められています。これにより、速やかに災害地域への水の供給が可能となります。
訓練の詳細
日時と場所
訓練は2024年9月27日(金)の午後2時から午後4時まで実施され、埼玉県内の以下の5カ所の浄水場で行われます。
1. 大久保浄水場(さいたま市桜区宿618)
2. 庄和浄水場(春日部市新宿新田100)
3. 行田浄水場(行田市小針1632)
4. 新三郷浄水場(三郷市南蓮沼1)
5. 吉見浄水場(吉見町大和田198)
参加者
今回は、埼玉県内の28市、14町、3水道企業団から職員が参加するほか、埼玉県管工事業協同組合連合会に所属する35社からもメンバーが参加し、合計144人が訓練に従事します。さらに、企業局の職員も参加し、スムーズな進行を図ります。
訓練内容
訓練では、応急給水装置の説明から始まり、断水発生時の対応の流れを確認します。続いて、浄水場職員による実演や、参加者自身の応急給水装置の設置訓練が行われ、最後に給水車による実演が予定されています。これにより、参加者は実際の状況に即した訓練を受けることができます。
応急給水の手順
訓練の中で理解を深める応急給水の手順は、次の3つのステップから成り立っています。
1. 水道事業体から企業局への協力要請
2. 要請箇所の送水管の状況確認と、企業局から埼管連への協力依頼
3. 埼管連による応急給水装置の設置と、水道事業体による応急給水活動の展開
この一連の流れをしっかりと理解することで、実際の災害時に迅速かつ効果的な対応ができるようになります。
まとめ
今回の応急給水訓練を通じて、埼玉県が災害時の水供給においてより強化された体制を整えることを目指します。地域住民の生活を守るためには、こうした訓練が不可欠であり、参加者全員が真剣に取り組む姿勢が求められます。訓練の成功を通じて、万が一の事態にも備えた地域の水供給体制が確立されることを願っています。