愛媛県西条市での新たな蓄電池事業
愛媛県西条市が環境への配慮を進める中、四国電力株式会社と今治造船株式会社が「オンサイト蓄電池事業」を開始する運びとなりました。このプロジェクトは、両社の共同出資先である株式会社パワーエックスが製造した定置用蓄電システムを用いて、今治造船西条工場内に設置される予定です。事業開始は2026年4月を見込んでいます。
蓄電池事業の背景
現在、国内では2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの導入が進められています。しかし、再エネは天候や自然条件に左右されるため、その電力出力の変動は大きな課題とされています。そこで、蓄電池の利活用が重要視されるようになりました。
今回の事業では、蓄電池の充放電を最適に管理し、電力需給の安定化を図ります。これにより、再エネを最大限に活用できる体制が整うとのことです。また、蓄電した電気を工場のピーク電力削減に役立てるため、電気料金をも軽減する見込みです。
事業の詳細と役割分担
「オンサイト蓄電池事業」は、以下の役割分担によって進められます。これにより、各社が持つ技術とノウハウを活かし、電力需給の安定化と脱炭素社会の実現を目指します。
四国電力の役割
- - 蓄電システムの施工・メンテナンスを一括して提供
- - 電力市場を利用した充放電の制御
- - 蓄電による電気料金の削減をお客様に提供
今治造船の役割
- - 蓄電池が設置される事業サイトの提供
- - 電力需要の調整に伴うサポート提供
パワーエックスの役割
- - 岡山県玉野市で製造された蓄電システムの提供
- - 並行してピークカット及び電力市場での制御ロジックの確立に貢献
蓄電池の仕様
本事業で利用される蓄電システムは、パワーエックスが製造した「Mega Power 2700A」モデルで、2基が設置されます。蓄電容量は4.9MWhとなっており、PCS(パワーコンディショナー)定格出力は2MWです。この蓄電システムを活用することで、より効率よく電力需給の調整が可能となります。
今後の展望
四国電力、今治造船、そしてパワーエックスの3社は、この共同プロジェクトにおいて密に連携し、蓄電システムの運用ノウハウを確立していく方針です。また、経済産業省の補助事業である「業務産業用蓄電システム導入支援事業」にも採択されており、その後の進展にも期待が高まります。特に再エネの最大活用として、全国的な環境への貢献が期待されます。
この新しい取り組みが成功すると、省エネを推進しつつ持続可能な社会の形成に寄与することが出来るでしょう。愛媛県西条市から始まる「オンサイト蓄電池事業」に、これからも目が離せません。