白杉酒造が目指す新たなる日本酒の世界
京都府京丹後市に位置する白杉酒造が、長い歴史の中で新たな挑戦を始めました。創業から250年の伝統を持つこの蔵元は、自社の日本酒ブランドである『shirakiku(シラキク)』の次世代フラグシップとして、革新的な『shirakiku AVANT-GARDE(アヴァンギャルド)』シリーズを発表しました。これまでの常識にとらわれない斬新なアプローチで創り出された新しい日本酒は、どのような背景から生まれたのでしょうか。
『AVANT-GARDE』とは何か?
「アヴァンギャルド」は、元々「前衛」として知られていますが、白杉酒造の11代目当主であり杜氏の白杉悟(しらすぎさとる)氏によって、新たな意味を与えられました。彼は、「伝統を打ち破る革新的な手法」を表現するためにこの言葉を選びました。戦後の日本においても見られた、日本画界を変えようとする挑戦と重なるこの理念は、細かな点にまで行き届いています。
白杉氏が今までの伝統にとらわれず、自身の道を模索してきた足跡が、『AVANT-GARDE』シリーズに込められているのです。この新しいラインナップが生まれた背景には、乳酸無添加の製法を用いることに至った経緯があるといいます。従来の酒造りで使われる乳酸を排除し、新たなアプローチとして成し遂げたのは、変わらぬ伝統製法「生酛造り」へのリスペクトから来ているのです。
伝統と革新の融合
日本酒造りにおいて「乳酸」は非常に重要な役割を果たしていますが、白杉酒造では伝統的製法を見直し、自らのスタイルを築く道を選びました。一般的には、乳酸を使用する「速醸」と、天然の乳酸を活かす「生酛造り」に大別されます。しかし、白杉酒造では独自に開発した「シラキク式モダン生酛」なる手法を用いています。
これにより、従来の製法とは異なり、醸造過程で黒麹から生まれるクエン酸を利用することで、乳酸に依存しない製法を実現しました。結果的に、新しい風味の日本酒が誕生したのです。この革新は、近年の酒造りにおける新たな潮流とも言われる「モダン生酛」の流れに乗る形となりました。
商品ラインナップの魅力
『AVANT-GARDE』シリーズは、現在『CRIMSON RED(クリムゾンレッド)』と『CHARTREUSE GREEN(シャルトルーズグリーン)』の2銘柄が展開されています。第一弾の『CRIMSON RED』は、赤いリンゴの香りを持ち、まろやかさが特徴的な日本酒。小売価格は720mlで2,420円(税込み)です。
一方第二弾の『CHARTREUSE GREEN』は、洋梨を思わせる香りがあり、見た目にも美しい黄緑色。こちらも720mlで2,420円、1800mlが4,840円(税込み)で販売されています。どちらの選択肢も、新感覚のまろやかさを特徴としており、杯を繰り返す楽しさを提供しています。
こだわり抜いたラベルデザイン
白杉酒造は、ただ日本酒の品質にこだわるだけでなく、そのビジュアルにも力を入れています。ラベルデザインは杜氏自身によるもの。彼の個性的なセンスが込められたラベルは、各銘柄の特徴を際立たせ、見た目からも楽しむことができます。さらに、公式noteでは開発秘話や製作に至るストーリーを公開しており、購入者はその背景を知ることができるという風な工夫もされています。
購入方法と今後の展開
『AVANT-GARDE』シリーズは、一部特約店での取り扱いがあります。特約店の一覧を参照し、自分の好みに合った店舗での購入が可能です。また、順次公式ECサイトでも販売される予定です。新しい日本酒の魅力を存分に楽しむため、ぜひ手に入れてみてはいかがでしょうか。
終わりに
250年の伝統を有する白杉酒造が、このような新たな挑戦をすることは、酒造りの歴史においても特筆すべき出来事です。伝統と革新を融合させた『AVANT-GARDE』シリーズは、日本酒の未来を見据える非常に魅力的なラインナップであると言えるでしょう。日本酒業界の新しい風を体感し、味わってみることをお勧めします。