SSL証明書管理の新技術
2025-10-30 11:56:53

日本IBMがSSL/TLS証明書の管理を自動化する新ソリューションを発表

日本IBMが提供する新しいSSL/TLS証明書管理ソリューション



日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、SSL/TLS サーバー証明書の有効期間が47日間に短縮される新たなセキュリティー要件に対応する新ソリューションの提供を開始しました。このソリューションは、HashiCorp Vault(以下、Vault)とRed Hat Ansible Automation Platform(以下、AAP)を核にし、証明書ライフサイクルの自動化とセキュリティの強化を目的としています。また、ハイブリッドクラウドの普及に伴い、急増するサーバーの運用を効率化することも狙いです。

近年のセキュリティ環境の変化



クラウドコンピューティングの急速な普及が進む中で、システムの複雑化やサーバー台数の増加が顕著になっています。このような背景の下、労働人口の減少が影響し、従来の手動による証明書管理の限界が浮かび上がっています。特に、CA/Browser ForumがSSL/TLS証明書の有効期限を段階的に短縮する方針を発表したことが、求められる自動化の重要性を一層高めています。具体的には、2026年3月15日以降、現在の398日から2027年には100日、2029年には47日へと短縮される予定です。

このような新たな要件に対応しないまま手作業で運用を続けることは、大幅な工数増加を招く恐れがあり、予定通りの作業を完了できないリスクが増します。これを解決するために、IBMが提供するVaultとAAPを組み合わせたソリューションが登場しました。

ソリューションの概要



新たなソリューションでは、Vaultが「証明書と秘密鍵を保管する金庫」として機能し、保管されたデータのセキュリティを保持します。AAPが「ワークフロー・ツール」として、広範囲にわたるネットワーク機器への証明書の自動更新・配布を実現します。また、IBM ConcertはVaultからの情報を基に証明書の有効期限や更新状況を一元管理し、ダッシュボード上で視覚的に把握可能とします。

これにより、期限切れや管理漏れを早期に発見し、更新プロセス全体の自動化を可能にし、セキュリティの運用を信頼性高く行えるようになります。さらに、IBM Instana Observabilityを活用して、証明書管理の基盤全体の可用性をリアルタイムで監視し、更新プロセスの継続性を保障する仕組みも整えています。

現場での効果



日本IBMの試算によると、現在多くの組織が100枚以上の証明書を管理しており、これらの証明書の月々の更新作業には100時間以上が必要です。しかし、この新ソリューションの導入により、実際の工数はほぼゼロにまで減少し、運用担当者はより戦略的な業務にリソースをシフトできるようになる見込みです。

結論



日本IBMは、金融機関や大規模システムの構築における豊富な経験を活かし、業界規制やガバナンス要件に準拠した形で本ソリューションの導入をサポートします。今後も最新の自動化技術を駆使し、企業が持続可能なデジタルトランスフォーメーションを実現できるよう、支援を続けていく方針です。セキュリティが重視される今日、こうした新しいアプローチが求められているに違いありません。


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会社情報

会社名
日本アイ・ビー・エム株式会社
住所
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111

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