廃魚油からサステナブルな養殖飼料へ!新たな珪藻育種技術の発表
近年、世界的に水産資源が枯渇の傾向にある中、養殖業の需要は急増しています。しかし、養殖に欠かせない飼料の多くは、天然の小型魚を原料としています。これにより、過度な漁獲が環境に与える影響が問題視されています。
養殖飼料の新たな選択肢
NTT株式会社は、この問題を解決すべく、独自の育種技術を駆使し、重要な機能性脂肪酸「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」を高めた珪藻の育種に成功しました。この技術により、DHAやEPAを含む5種類の脂肪酸を同時に増加させることができ、細胞ごとの含量は最大1.8倍に達しました。
育種技術のポイント
これまでの育種方法では、特定の脂肪酸を増やすと他の脂肪酸とのバランスが崩れることが課題でした。しかし、NTTの新技術では、遺伝子の変異を利用し、複数の脂肪酸の量を同時に増加させることが可能となっています。これにより、飼料のバランスを保ちながら、必要な脂肪酸を効率的に増やすことができます。
珪藻の利点と将来的な展望
珪藻は、天然資源に依存せずに生産できるため、養殖飼料のサステナビリティ向上が期待されます。今回の育種技術によって生み出された新しい珪藻株は、商業化に向けたハードルが低く、他の藻類にも応用可能です。これにより、魚粉や魚油に依存しない、持続可能な養殖システムが実現するでしょう。
水産業へのインパクト
この技術により、食料供給の安定性向上と環境負荷軽減が期待されます。特に、世界の水産物供給の約60%が養殖に依存している現在、この新たな飼料原料は水産業において非常に重要な役割を果たすことでしょう。
まとめ
水産資源の保護と余剰脂肪酸の効率的な利用が可能になるこの育種技術は、次世代の養殖業を支える基盤となるでしょう。今後、NTTはこの技術をさらに進化させ、さまざまな藻類の利用を拡大し、持続可能な未来に向けた貢献を続けていくとしています。これにより、我々の食卓がより持続可能なものとなることが期待されます。