株式会社パワーエックスが56億円の資金調達を完了
東京都港区に本社を置く株式会社パワーエックスは、最近シリーズCラウンドの後半として31.7億円の資金調達契約を締結しました。この結果、全体の資金調達額は約56.3億円に達し、累計資金調達額は約290.9億円となりました。この資金調達は、同社が取り組むエネルギー関連事業への大きな期待を示しています。
エネルギー基本計画と社会的ニーズ
日本政府が策定した新たなエネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの主力電源化が強調されています。その実現には、電力系統の安定性を保つために蓄電池などの調整力を拡大することが求められています。当社は、これら社会的要求に応えるべく、定置用大型蓄電池などの製品やサービスの国内サプライチェーンを強化し、カーボンニュートラルの実現に貢献していく方針です。
投資者の顔ぶれ
今回の資金調達には、既存投資家の伊藤忠商事株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、今治造船株式会社、Frontive Holdingなどが再び参加し、信頼と期待が寄せられています。また、シリーズCラウンドには新たに豊田通商株式会社が投資し、他にも多くの金融機関と個人投資家が支援を行っています。この支援により、同社は今後更なる成長を目指します。
資金調達の目的と今後の展開
今回の資金は、主に以下の施策に充てられます。まず、大型定置用蓄電池の生産能力を拡充します。これまで、当社の「Mega Power」を始めとする蓄電システムの導入実績が累計1GWhを超え、大きな顧客需要に応えるため、2025年下半期に提携工場の増床を計画しています。また、岡山県玉野市に新たな製造棟を建設することで、2027年の量産開始を目指します。
次に、研究開発機能の強化も重要な施策の一環です。新たな研究開発体制を確立し、高品質な次世代蓄電池と高度な電池制御技術を開発することを目指します。既存の研究開発拠点を移転・拡大し、技術開発の迅速化を図ります。
代表取締役のコメント
株式会社パワーエックスの取締役代表執行役社長CEO、伊藤正裕氏は、「日本を代表する企業からのご出資に感謝申し上げます。また、既存株主の方々からの追加出資も多く、大変励みになります。今後も株主の期待に応えると共に、日本のエネルギー自給率向上に寄与する国産蓄電池メーカーとしての責任を果たしていきます。」とコメントしています。
この度の資金調達により、パワーエックスは次なるステージへと踏み出し、エネルギー業界におけるリーダーシップをより一層強化していくことが期待されます。今後の動向に注目が集まっています。