アクロニスの新指標が示す企業のバックアップ事情とは

アクロニスの新しい指標が示す企業のバックアップ事情



アクロニス・ジャパン株式会社が発表した『アクロニス世界障害復旧評価指標』は、世界13ヵ国の企業IT管理者を対象に、自社のバックアップやシステム復元に対する信頼性を評価したものです。この指標に基づく調査は、各国の企業が持つバックアップに関する現状を比較するためのもので、特に日本市場においては注目すべき成果が浮き彫りになっています。

日本の実情



調査によると、日本はバックアップとシステム復元に関して世界中で高い技術を保持しており、信頼度で第3位にランクインしています。具体的には、73%のIT管理者が重大な障害時に自社のバックアップと復元が機能すると考えており、71%は適切なスタッフが配置されていると考えています。しかし、全体の40%の企業がバックアップや障害復旧に必要な予算を確保していない現状もあります。実際にバックアップや復旧にかかるコストがIT予算全体に占める割合は、平均してわずか7%に過ぎません。

このような現状から、日本企業は高い信頼感を持っている一方で、バックアップ及び障害復旧に必要なリソースを適切に確保できていないことが明らかになりました。これは、急な障害が発生した場合のビジネス継続に対して大きなリスクとなりうる要因と言えるでしょう。

世界のバックアップ事情



調査が示すもう一つの要点は、世界の多くの企業が物理、仮想、クラウドといった異なる環境間での単一のバックアップシステムを求めているということです。68%のIT管理者が混在環境でのデータ移行の困難さを課題として浮き彫りにしていますが、実際には2つ以上のバックアップソリューションを使用する傾向が強まっています。それが、迅速な復旧を妨げる要因ともなっているようです。

また、仮想環境のバックアップに関する問題点も多く、仮想サーバーの導入が進む中でも、半数以上の企業が物理サーバーと同等の頻度で仮想サーバーをバックアップしていないという調査結果が出ました。これは、異なるバックアップソリューションを使用する企業が多いことによるもので、データが一箇所にまとまっていない状態が分析されています。

各国の信頼度ランキング



アクロニスではこの指標を作成する際、11の質問に対する回答の平均値を基に、各国のバックアップ信頼度を評価しました。その結果、最も高い信頼度を誇るのはドイツ、オランダ、スイスであり、これに続くのがシンガポール、香港、日本です。反対に、信頼度が低い結果が出たのは英国、オーストラリア、そしてアメリカです。特にアメリカでは、重大事故からの迅速な復元能力に対し、企業の自信が低いことが示され、世界平均の50%に対してオーストラリアは22%という結果が出ました。

今後の展望と企業の対応



アクロニスのCEOジェイソン・ドナヒューは、多様なバックアップニーズに対応したソリューションを求める企業に対し、今回の指標が役立つことを示唆しています。特に、中小企業にとっては、バックアップの実務を見直す良い機会となるでしょう。

今回の調査は、2010年10月に調査会社のPonemon Groupによって行われ、従業員数1,000人以下の中小企業に所属する3,000人以上のIT担当者が対象となっています。アクロニスは、これまでの調査結果を基に、企業が今後のバックアップ戦略を再考するための指針を提供しています。

まとめ



アクロニスの『世界障害復旧評価指標』は、企業が抱えるバックアップと復旧の信頼度の実態を浮き彫りにしています。日本企業が特に自信を持っている一方で、重要なリソースの確保が不足しているという問題に直面しています。各国におけるバックアップ戦略の違いを理解することで、企業は今後のビジネス継続性をさらに強化するための対応策を講じることができます。

会社情報

会社名
アクロニス・ジャパン株式会社
住所
東京都港区麻布台メソニック39MTビル5F
電話番号
03-6430-1400

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