セキネシール工業、80年の歴史を背負った新たな理念
埼玉県小川町に本社を置くセキネシール工業株式会社は、2024年に創業80周年を迎えるにあたり、企業理念の刷新を行いました。この新しい理念は、取締役社長の関根俊直氏によって提唱され、会社の過去・現在・未来を軸にした想いが込められています。相手に真摯に向き合い、信頼を築くという新たなミッション、「伝統をつむぎ、未来をすくう」もこの理念の核です。
1300年の技術を基にした事業の軌跡
セキネシール工業は、小川和紙の伝統的な技術を基にした自動車部品メーカーです。1300年の歴史をもつ小川和紙の技術を受け継ぎ、戦後にガスケット材の製造へシフトし、以来80年間、自動車業界を中心に貢献し続けています。ガスケット材は一般的にはあまり目に触れることのない部品ですが、エンジン部品などで気体や液体の漏れを防ぎ、世界中の産業基盤を支えています。
なぜ今、理念を見直すことが必要だったのか
関根社長は、従来の企業理念に対する違和感を感じるようになりました。旧法人の理念が制定されたのは約30年前であり、その内容は時代の変化や社会問題の多様化に対応できていないと感じました。「自動車を中心として」という表現は狭く感じ、「愛され注目される企業」を目指す言葉も、経営者自身の心には響いてこなかったのです。社内でのコミュニケーションを重視し、社員やその家族に対し胸を張れる言葉が必要だと強い思いを抱くようになりました。
新たなミッションとビジョン
「伝統をつむぎ、未来をすくう」
このミッションには、過去の伝統を守り続けながらも未来へとつなげていくとの想いが込められています。創業者が和紙産業の衰退を見越して、新しい道を選んだ決断は、時代を越えて生き続けています。今、電動化の波が押し寄せる中で新たな挑戦を始めるセキネシール工業。過去の技術と想いを大切にし、未来のニーズに応える商品を開発中です。
「世界に誇れる特殊な機能紙メーカー」
新たに設定された企業ビジョンでは、ガスケット材や機能紙が目に見えない存在であることを逆手に取り、世界中の安心を支える誇り高いメーカーを目指します。EVやロボット、さらには空飛ぶクルマなど最先端産業で活躍する存在になることを目指し、地域や社会から感謝される企業となることを目標としています。
価値観の確立
新規のバリューとして「誠実・融和・勇気・創造」(SiSCO)が制定され、社員全員がこの価値観を根底に掲げることで、理念の実践に結びつけます。特にSiSCOサイクルは、誠実さを基に人と人との融和を促し、勇気をもって新たな創造を行うことで、その循環を持続可能にしていく考え方です。
新製品開発の未来
会社の理念刷新は終着点ではありません。新たな理念のもと、循環を強調したプロダクト開発が進められており、2026年には使用後の回収・再生を前提とした新製品がリリースされる予定です。この取り組みは、企業の価値観を具体的な行動に移す重要なステップとなります。
社員の声
関根社長は、会社の存在意義や進むべき道を社員たちと共に考えることで、80年の歴史を背負った立場としての責任の重さを感じています。「伝統を守ることは、同じことを続けるのではなく、未来に繋げることだと信じています」と語ります。彼の新たなビジョンにより、セキネシール工業は新たな挑戦を続け、さらなる成長を目指して前進し続けることでしょう。