最近の調査結果から、中国の生活者の訪日意欲が大きく向上していることがわかりました。株式会社博報堂DYホールディングスのマーケティング・テクノロジー・センターと、株式会社北海道博報堂、そして中国のライフサービス検索プラットフォーム「美団」の協力により実施された「インバウンド予報調査」では、5月のインバウンド予報指数が86.8点に達し、これは前回(83.2点)からの改善を示しています。特に、訪日経験がない層の指数が大幅に増加したことは、今後の中国からの訪日者数増加への期待を高める要因となるでしょう。
訪日目的についても注目すべき特徴が見られました。訪日経験がある層においては、「四季の体感」や「スキー・スノーボード」が20ポイント以上も上昇し、シーズンごとに特別な体験を求める傾向が顕著です。このような要求は、日本のスノーリゾートやスキー場に対する期待の高さを示しています。
また、訪日外国人数についても、中国が過去最高の記録を更新したことが報告されています。1月には、特に冬休みや春節が影響し、中国からの訪日者数が前年同月比57.3%増の72.3万人に達しました。これにより、インバウンド需要のさらなる形成が期待されており、日本企業や自治体にとって重要な分野となっています。
ウィンタースポーツへの意欲も強まっており、調査結果によると、訪日を希望する中国生活者の90.5%がウィンタースポーツを楽しみたいと回答しています。しかし、スノーリゾートやスキー場に対する改善点が浮き彫りになっており、「主要観光地との間の送迎サービス」や「周辺エリアの楽しみ方の提案」、さらに「冬季イベントの充実」に関する要望が高いことが示されています。これらの課題に取り組むことで、より多くの中国からの旅行者を日本に呼び込むことが可能となるでしょう。
このように、日本の観光業界は中国からの訪問を促進するために、計画的に動く必要があります。インバウンド予報調査は、今後の訪日ビジネスの方向性を示す重要なツールになると考えます。特に、ウィンタースポーツの需要を捉えるための施策を強化することが、日本における訪日外国人の増加を推進する鍵となるでしょう。継続的な調査を通じて、中国生活者の意識や行動を正確に把握し、ニーズに応じた魅力ある提案が求められています。さらに、多岐にわたる情報収集を通じて、訪日旅行の魅力を高めていくことが重要です。
今後も、MTCは定期的に調査を実施し、中国現地ビジネスに関心を持つ日本企業や団体に向けて、広範なマーケティング戦略を進めていく方針です。日本の観光業界とビジネス界にとって、中国からの訪日需要を逃さないための迅速かつ効果的なアプローチが求められています。