韓国ドラマ全史が語る成功の秘密
2025年3月22日、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンから『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』がリリースされます。この書籍は、韓国ドラマの25年にわたる発展をトレースし、名作の数々がどのようにして世界的成功を収めるに至ったのかを探ります。その中で特に注目すべきは、韓国のコンテンツ産業がいかにして苦境を乗り越え、魅力的な物語を作り出してきたかです。
1997年の通貨危機がもたらした変革
韓国のコンテンツ産業の変革が始まったのは、1997年の通貨危機でした。この危機を契機に、当時の金大中大統領が文化産業を21世紀の重要な産業として位置づけ、IT産業と共に育成を進めます。こうした政策のもと、韓国ドラマは伝統的なトレンディドラマから、家族愛や絆をテーマにした新しいスタイルの脚本へと変化しました。このドラマの変遷が、後の「韓国ドラマらしさ」を形作る重要な要素になりました。
さらに、韓国ドラマの海外展開も加速しました。中国やベトナム、台湾などのアジア市場では、文化的近接性が活かされ、韓国の作品に対する需要が高まります。このような国際的な人気も、韓国ドラマの成長の一翼を担っています。
スタジオシステムの進化
もう一つの大きな転機は、韓国におけるスタジオシステムの進化です。IMF危機を契機に制作会社は権利ビジネスの重要性を認識し、IPの確保や海外展開にフォーカスしました。特に『冬のソナタ』を制作したPANエンターテインメントは、国際権利の扱いで多くの成功を収めました。このような制作会社の台頭は、今やNetflixなどのグローバルプラットフォームの登場によって強化されています。
従来の放送局主導の制作から、制作会社自身が企画立案から権利管理までを一手に扱うスタジオシステムに移行しつつあります。この新たな体制は、若手クリエイターの育成や共同執筆制度の導入を促進し、イノベーションにもつながっています。これらの進化は、韓国コンテンツの成功が単なる国策の賜物でなく、逆境からの学びと人材育成による成果であることを示しています。
誰に読んでもらいたいか
『韓国ドラマ全史』は、韓国ドラマやK-POPなどの韓流コンテンツの愛好者、さらにはエンターテインメント業界に携わる人々、海外のコンテンツビジネス動向に興味がある方、日本のコンテンツ産業に関心を持つ人たちにも最適な一冊です。特に、過去25年の韓国ドラマの走りを深く知りたい方には、必見の情報が詰まった書籍です。
書籍の詳細
この新刊は352ページの新書形式で、ISBNは9784799331323です。著者の黄仙惠氏も、日本と韓国をつなぐコンテンツビジネス領域で専門知識を持っており、業界における新たな視点を強調します。興味がある方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
本書は、オンラインでの先行発売が3月21日より行われます。詳しくは、
Amazonや、
楽天ブックスでご購入可能です。