高齢者の入院・退院に関する実態調査
株式会社LIFULLのグループ会社、LIFULL seniorが65歳以上の家族や親族の入退院を支援した方に向けて行った調査では、今年の夏に特に高齢者の入院が目立っていることが分かりました。特に暑い時期には、熱中症などが原因で高齢者が体調を崩しやすく、急な入院がその後の生活に大きな影響を及ぼすことが少なくありません。
調査概要
この調査は874名を対象に2024年7月5日から7月10日に実施されました。その結果、緊急入院の多さや、退院後の生活についての課題が浮き彫りになりました。65歳以上の家族が入院する際、なんと60%が「急な入院だった」と回答しており、特に退院時の情報共有や準備期間の不足が目立ちました。
入院・退院の実態
具体的には、入院をきっかけに要介護認定を申請した方は約4割に達しています。また、退院後の生活環境としては、過半数が「自宅」ではなく、「リハビリ病院」や「介護施設」に移ることが分かりました。このように、高齢者の入院はしばしばその後の介護が必要な状態を引き起こすケースが多いことが示されています。
退院に向けた情報共有
退院が告げられるのは、一般的に「数日前」という回答が多く、退院日まで一週間を切っているケースも半数以上。このような状況では、家族がどのようにしてサポートを行うべきか、また何を準備しておくべきかが非常に重要になってきます。調査の結果、入院後の準備期間が「足りなかった」との答えも34.8%に上り、実際に施設の見学すら行っていないケースが目立ちました。
備えておくべきこと
家族や親族が急な入院に備えて知識を持つべきことがいくつかあります。具体的には、入院にかかる費用や助成制度についての理解、そして親との話し合いが重要なポイントとなることが調査結果からも明らかになりました。特に入院費用に関する蓄えが35.2%、助成制度の理解が34.2%を占めており、これらの知識があればいざという時に動きやすくなります。
LIFULL介護の取り組み
LIFULL介護の編集長、小菅秀樹さんは「高齢者が入院した際の支援は、家族にとって大きな負担になることもあります。退院の際には医療相談室にいる専門家と連携を取ることが、スムーズな生活の再建につながる」と強調しています。同社は、入退院サポートの一環として、入居相談室を設けており、介護施設の選定や情報提供が行われています。
まとめ
高齢者の急な入院に備えるためには、普段からの対策が不可欠です。日常生活の中で情報収集と計画的な準備を心がけ、もしもの事態に備えておくことが、家族にとっても安心につながります。今後も高齢者問題に向けた取り組みを続けて行くことが求められています。