「Inspired100」から見る10代の学びと未来の可能性
株式会社Inspire Highが制作した「Inspired100」の年鑑は、全国の10代が提起した問いを集めたものです。この年鑑では、問いを通して若者の探求心が育まれる様子が描かれています。Inspire Highは、教育現場で探求的な学びを提供し、全国の10代に自らの問いを深める機会を提供することを目的としています。
「Inspired100」の概要
「Inspired100」は、全国の10代の問いを表彰するプロジェクトであり、既に19,497件の問いが寄せられた中から、2024年度には約2,500件のエントリーがありました。その中から厳選された100人の問いが年鑑としてまとめられています。この取り組みは、探求がどのように社会とつながるかを模索する試みであり、10代が生み出す創造的なアイデアが注目されています。
審査員には、Inspire Highに登場するガイドや10代を支援する大人たちが加わり、「Social & Business」「Human & Culture」「Science & Innovation」の3つの部門で審査が行われました。これにより多様な視点から各問いが評価されています。
年鑑に収められた問いの紹介
この年鑑には「好き」を突き詰めた問いや、「社会への違和感」を出発点にした問いなど、多彩な問いが集まっています。一部の問いを以下に挙げてみましょう。
- - 「世界中で紛争が起きる中、当事者性を伴った社会をつくるために、僕たち若者にできることは何か?」
- - 「循環型社会を目指すには? 〜ゴミをアートに〜」
- - 「同じ科同士の植物なら複数結合が可能ではないか?」
これらの問いは、10代が感じている社会的な問題や自分自身の好奇心が反映されています。
教育現場における「Inspired100」の位置付け
「Inspired100」は、Inspire Highの「Project」に位置づけられ、個人探究を支援するために作成されたものです。Inspire High導入校においては、1年間の探究活動の集大成としても利用されています。このように、年鑑は教育現場における新しい学びの形を提示しています。
未来を担う10代への期待
Inspire Highの代表である杉浦太一氏は、この年鑑の目的について次のように語ります。「人類の歴史は問いの蓄積によって成り立っています。ここに集まった100個の問いは未来への希望の集合です」。問いを通じて求められるのは、自分だけでなく他者の視点を理解する力であり、これこそが未来を担う世代に必要な能力だと言えます。
年鑑の配布とデジタル版の提供
今回制作された「Inspired100」の年鑑は、Inspire Highを導入している学校や自治体に配布されます(2025年3月17日から順次配送)。また、デジタル版の閲覧を希望する教育機関向けに、必要情報を入力するフォームも用意されています。これにより、より多くの人々が10代の問いに触れることができる機会が提供されます。
教育の現場に新しい風を呼び込む「Inspired100」。これは単なる年鑑にとどまらず、未来を見据えた10代の可能性を広げる重要なプロジェクトなのです。