タレスの新機能「File Activity Monitoring」
タレスが新たに発表した「File Activity Monitoring(FAM)」は、組織のデータセキュリティを大きく進化させる機能です。この新しい監視技術は、オープン環境やハイブリッド環境、さらにはマルチクラウド環境全体での不正使用の検出、コンプライアンスの遵守を容易にし、強化されたデータ保護を実現します。
FAMは、Thales CipherTrust Data Security Platformに統合されており、組織における非構造化データへの可視性と制御を向上させます。これにより、ファイルアクティビティがリアルタイムで監視され、不正使用の検知に繋がります。特に重視されるのは、非構造化データの管理と保護であり、今やその重要性はますます高まっています。IDCの報告によれば、非構造化データは全体の約90%を占め、これにより組織はセキュリティリスクの管理強化が求められています。
FAMの主な機能としては、メールやチャットログ、メディアファイル、アプリケーションログといった非構造化データを含む多様な情報へのアクセスがあります。これにより、データの不正なコピーやダウンロード、共有を監視することが可能です。リアルタイムでのアラート機能や分析、暗号化トラッキングも備えており、これらのシステムにより脅威を迅速に把握し、機密データを保護することができます。この仕組みによって、GDPR、HIPAA、PCI DSSなどの規制への準拠も支援し、全体的なデータセキュリティを高めることが期待されています。
Amadeusの主任情報セキュリティエンジニアであるLeila Kuntar氏は、「タレスのFAMは、ハイブリッド環境における可視性の課題に対処するための新たな技術であり、リアルタイムデータの可視化と異常検知の向上を可能にします」と語っています。この技術は、セキュリティチームの負担を軽減し、SOC(セキュリティオペレーションセンター)での運用をスムーズにすることが期待されています。
また、タレスのデータセキュリティ担当バイスプレジデントであるTodd Moore氏によると、「非構造化データの急激な増加に対応するため、組織には高度な追跡機能が求められています。FAMはリアルタイムのインサイトやインテリジェントなオートメーションを提供し、データセキュリティにおけるリーダーシップを確立するものです」と述べています。
FAMにより、従来では困難だった非構造化データの監視が可能になるため、データセキュリティポスチャー管理(DSPM)がさらなる強化につながります。具体的には、次のような機能が期待されます。
- - 機密データを効率的に検知し、リアルタイムでの分類・監視が可能。
- - アクセス権限やデータの保護状況を常に把握し、不正行為を迅速に発見。
- - 行動に基づいた動的なリスクインテリジェンスを提供。
- - 発生したインシデントを素早く再構築し、適切な対策を実施。
さらに、FAMに含まれる生成AIツールは監査の効率化や、セキュリティ運用の容易化に貢献します。この統合型チャットボットは、IT部門やセキュリティ担当者が簡単にレポートを作成し、コンプライアンス業務を効率化できる手助けをします。これにより、セキュリティチームがより重要な業務に集中できるようになるのです。
最後に、タレスは防衛、航空、サイバー・デジタル分野での革新に取り組んでおり、毎年40億ユーロ近くを研究開発に投資しています。このような取り組みを通じて、タレスは今後のデータセキュリティ市場でもさらなる成長と革新を目指しています。FAMはその第一歩として、大きな期待を寄せられています。