台湾の特殊化学品市場、2ナノ量産開始に伴い急成長を遂げる
台湾のものづくり業界は、近年目覚ましい変化を遂げています。その中でも特に注目を集めているのが、半導体産業の進展です。2025年第4四半期に、台湾の半導体ファウンドリー最大手である台湾積体電路製造(TSMC)が、2ナノメートル製造プロセスの量産を開始することが発表されました。この動きは、台湾国内の特殊化学品の自給率を大きく引き上げる一因となると見られています。
TSMCの計画と特殊化学品の需要拡大
TSMCは、2027年までに台湾内で最先端プロセス工場を7基稼働させる計画を立てています。この新たな投資は、半導体向け特殊化学品の需要増を引き起こす要因の一つです。特に、地政学的リスクへの対応としてサプライチェーンの強化が求められる中、台湾の特殊化学品製造業者はあらゆる機会を逃さずに、国内供給の比率を2030年までに70%へ引き上げる目標を掲げています。このような背景から、新応材(AEMC)や台湾特品化学(TSC)などが重要なサプライヤーとして成長を果たしています。
AIおよびHBM需要の成長
また、2025年の台湾のIC産業は、前年比22.7%の成長を遂げ、約6.52兆台湾元の生産額を記録しました。2026年もこの成長トレンドは続く見込みで、AI技術搭載のスマートフォンやディータセンター向けの需要がさらに拡大することで、広帯域幅メモリー(HBM)の需要も急増しています。全体の産業規模は2026年には7.7兆台湾元に達するとの予測が出ています。
南俊国際の課題解決と成功
台湾の産業界は、もはや特定の技術に頼るだけの市場ではありません。南俊国際(REPON)は、AIサーバーラックに完全液冷システムを提供するという新たな道を切り開きました。自動車グレードの高張力鋼板を使用したスライドレールは、従来よりも薄型化され、耐荷重性と漏水防止性能が大幅に向上しました。さらに、開発期間を従来の1年からわずか2ヶ月に短縮するための革新を遂げ、米クラウド大手企業との提携も拡大しています。
手動工具産業の再構築
また、台湾の手動工具産業も変革を迎えています。2025年には、生産額が前年比2.0%減、輸出額は6.2%減と厳しい状況に置かれましたが、業界全体が「価格競争」に依存するのではなく、デジタル化やグリーン製造技術の導入によって「価値マーケティング」を推進する動きへと進化しています。このような状況から、2026年第2四半期には回復の兆しが見えてくると期待されています。
未来への道
これらの取り組みや変化は、台湾の半導体および関連産業の成長を支える力となっています。地政学的リスクや市場の動向を背景とした戦略的なシフトが進行する中、台湾の製造業はさらなる成長機会を模索しているのです。今後もこれらの動向から目が離せません。台湾は、特殊化学品から手動工具に至るまで多岐にわたる業界での競争力を強めており、国際市場においてその存在感を高めていくことでしょう。
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