インドネシアに日本式医療を提供するメドリングの新たな挑戦
医療スタートアップであるメドリング株式会社(以下、メドリング)が、インドネシアにおける日本式医療の拡張に向け、現地大手企業であるシナルマスグループと基本合意書を締結した。この合意は、インドネシア初の日本人医師による医療施設の開設を目指すものであり、両社は更なる協力関係を築いていくことが期待されています。
背景
インドネシアは、急速な経済成長に伴い、医療サービスの需要が高まっています。しかし、医療インフラは依然として整っていないため、政府は法整備や医療のデジタル化を推進しています。インドネシアでは医療機関が年間27%増加しているものの、医師の数は他のASEAN諸国に対して低く、地域間の格差も大きいとされており、この課題に対応するための新たな取り組みが求められています。
メドリングは、シナルマスグループが開発しているBSD Cityという経済特区内に医療施設を設立することで、このニーズに応えることを目指しています。BSD Cityは、インドネシアで最大規模の都市開発プロジェクトであり、約6,000ヘクタールの敷地に50万人以上が居住しています。ここには高度な教育、テクノロジー、ヘルスケアが集積され、スマートシティとして成長が期待されています。
合意の内容
基本合意書に基づき、メドリングは日本の医療機関と連携し、インドネシアでの新規開業やM&Aを通じてクリニックの開設を進めます。また、DXを含めた運営サポートも展開し、現地調査を行いながら診療科の検討を進め、2025年中の施設開設を目指す方針です。
シナルマスグループのLiving Lab Ventures(LLV)が提供する各種支援を活用し、メドリングは日本式医療の導入と確立に取り組んでいくこととなります。LLVは、物件紹介やマーケティング支援を行い、双方の強みを活かした効果的な医療サービスの提供を目指しています。
インドネシアでの展望
日本式の医療提供が実現することで、インドネシアにおける医療水準の向上が期待されます。特に、メドリングが持つ海外での成功事例や経験が、今後の医療サービスに生かされることになるでしょう。メドリングの代表、安部一真氏は、インドネシアでの医療の質と経済特区であるBSD Cityの魅力向上に寄与することを目指しています。
今後、MRTグループとメドリングの協力により、ASEAN地域における医療DXプラットフォームの構築も視野に入れています。日本の医療機関の技術やノウハウを活用し、インドネシアだけでなく、周辺国の医療課題にもアプローチしていく考えです。
会社概要
メドリングは、東京・渋谷区に本社を置く医療スタートアップで、医療DXサービスを提供しています。今後の展開が注目される中、アジアにおける日本の医療を広めるための重要な役割を果たすことでしょう。更なる具体的な計画について期待が寄せられています。