メディアリンクス、IP化の波に乗る
神奈川県川崎市に本社を置く株式会社メディアリンクスが、2025年4月より「Media over IPコンソーシアム」に正式に参加することを発表しました。このコンソーシアムは、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)を中心に設立され、放送・通信分野におけるIP技術の向上と標準化を目的としています。
Media over IPコンソーシアムの設立背景
MoIPコンソーシアムは、2018年の「Inter BEE」でのIP PAVILIONに端を発し、放送局と技術ベンダー間の実運用上の課題を解決するために創設されました。参加企業が増え、IP技術の実証や展示が進む中で、様々な運用ギャップが浮き彫りになりました。そのため、産業全体での協力が求められるようになり、コンソーシアムが立ち上げられました。
主な活動と目的
コンソーシアムの活動は5つの柱から成り立っています。これには、MoIPプラットフォームの提案や、国際標準規格に応じた機器間の相互接続検証、コンテンツ制作のワークフロー提案、関連技術セミナーを通じた人材育成、そして活動成果やMedia over IP情報の発信が含まれます。特に、放送局が個別最適化されたシステムから共通仕様へと移行する際の効率化が求められています。
メディアリンクスの役割と貢献
メディアリンクスは、長年にわたりMedia over IP技術の推進に注力しており、特に国際イベントやスポーツ中継において高い信頼性を持つIP伝送ソリューションを提供しています。コンソーシアムへの参加を通じて、自社の技術的専門性を広く共有し、多様なベンダーとの連携によってオープンな技術検証やワークフローの革新を目指しています。その結果、放送局の安全で信頼性の高いIP運用が実現されることに寄与するでしょう。
未来を見据えた活動
メディアリンクスの代表取締役社長、菅原司氏は、「Media over IPの推進は、単なる機器の更新にとどまらず、業界全体の価値創造の基盤となる変革です。コンソーシアムという協創の場で、次世代メディアインフラの未来を共に築いていきたい」と語っています。
メディアリンクスの概要
メディアリンクスでは、4K UHD/HD/SDのビデオ伝送やオーディオ、データ処理などをIP技術を用いて行っています。オリンピックやサッカーワールドカップなど、世界的なイベントでの活躍が評価され、2014年にはテクノロジー&エンジニアリングエミー賞を受賞しました。今後もその技術力を活かし、IP伝送技術の普及に貢献することでしょう。
おわりに
メディアリンクスの参画により、IP化の促進とともに、これからの放送・通信業界に新たな価値が生まれることが期待されています。インフラの整備だけでなく、業界全体の技術向上に向けた取り組みが進むことに、今後も注目が集まります。