日本企業のAI活用実態と挑戦、Notion調査結果から見えた未来の道筋
Notion Labs Japan合同会社が発表した「NotionグローバルAI変革調査2026」では、AIの活用状況が明らかになりました。この調査では、企業の意思決定者とナレッジワーカーを合わせて1,010名が参加し、日本企業における生成AIの成熟度や課題を多角的に分析しています。特に注目すべきは、日本の企業がAIを「思考のパートナー」として使うレベルが高い一方で、組織的な展開には課題が残るという事実です。
日本におけるAI活用の現在地
調査結果によると、日本の意思決定者は66%がAIを「思考のパートナー」として活用しており、これはグローバル平均の57%を上回っています。ただし、AIを「チームメイト」や「システム」として活用する成熟層は、日本で11%、グローバルで12%と大差はありません。日本企業はAIを個人の思考支援ツールとして利用する傾向が強いものの、組織全体での活用には至っていないことが示唆されています。
さらに、自社のAI能力に自信を持つ割合が意思決定者で15%、ナレッジワーカーで6%に留まっていることも、国内の企業がAI導入に向けた準備が不十分であることを示しています。特に、準備状況が低いことは、企業のAI活用に向けた壁となっています。
日本企業が次に越えるべき壁
調査では、AI活用に対する意識が企業内でどう形成されているかも取り上げられています。意思決定者の68%が「社内のナレッジへのアクセスが改善されれば、AIはより大きな価値をもたらす」と回答した一方、ガバナンスとポリシーの整備については日本企業の47%に対し、グローバルでは67%が「はい」と答えている点に、20ポイントの差が存在しています。これにより、規制やルールの徹底がないためにAI活用が妨げられている状況が浮かび上がります。
現場におけるAI活用の実態
ナレッジワーカーにおいては、「情報の調査、要約、統合」が最も多く使用されているAI活用シーンであり、全体の64%がこれを行っています。次いでメールや文書の作成、プレゼンテーション、会議の議事録作成が続きます。このことから、日本におけるAI活用は、個人業務の支援に重きを置いている一方、高度なワークフローへの展開が難しいことが理解されます。
AI変革が進む組織は何が違うか
調査はまた、AI変革に成功している企業の特徴として、戦略的にROIや業務影響をモニターしていること、ガバナンスを整備していること、日常業務の中にAIを自然に取り入れている点が挙げられています。特に、ビジネスの影響を測定する取り組みが進んでいるレベル3〜4の層には、AIの効果を実証する傾向が見られ、これが企業文化にプラスの影響を与えています。
総括:日本企業が取り組むべき次の一手
今後、日本企業がAIを単なる個人効率化ツールとして終わらせず、チーム全体の成果を測定し、AIを組織的に活用するための3つのポイントを考慮する必要があります。
1.
成果指標の共有:チーム全体でのROIや成果を明確にし、継続的な改善に取り組むこと。
2.
ワークフローへの統合:既存の業務プロセスにAIの機能をもたらす仕組みを整えること。
3.
セキュリティとガバナンスの整備:安心してAIを活用できる環境を整えることが、組織全体のAI活用を促進します。
この調査結果からは、AI活用が個人から組織への転換期にあることが示されています。企業は、AIがもたらす新たな価値を見極め、次の一手を実行する必要があります。