70歳を迎える渡辺えりが2作連続公演を開催！演劇の力を感じる時

70歳を迎える渡辺えりが2作連続公演を開催！

2025年1月、演劇界に旋風を巻き起こす渡辺えりの古稀記念として、『鯨よ！私の手に乗れ』と『りぼん』が2作連続で上演されることが決定しました。彼女は80年代の小劇場ブームをリードして以来、今もその情熱を持ち続け、観客に感動を与えています。

渡辺えりの演劇への情熱

渡辺えり氏は、戦後の日本の演劇の礎を築いた寺山修司や蜷川幸雄の影響を受けつつも、独自の世界観を持つ作品を創り続けています。彼女の演劇は、しばしば“やっかいなこと”にこだわり、手作り感のある温もりのある作品です。あふれる熱意は、若い世代の演劇人にとって、非常に刺激的でしょう。

彼女は対等な存在として認められなかった過去の女性たちの人生を描くことに重きを置いており、自身の70歳という節目にこの2作品を選んだのには特別な意図があります。両作品共に、激動の時代を生き抜く女性たちの姿を映し出しています。

2作品の詳細

『鯨よ！私の手に乗れ』は、介護施設を舞台に、認知症を患う母との関係を見つめ直す娘の物語です。母の記憶が消えてゆく中で、介護施設の入所者たちがかつての劇団の仲間であることが明らかになり、彼女たちの未練や希望が交錯します。この作品では、演劇を通じて人生の力強さを再認識させられることでしょう。

一方、『りぼん』は、震災後の横浜を舞台に、さまざまな過去を抱える女性たちが織りなす物語です。彼女たちは「水色のりぼん」という記憶を共有しており、それを通じて自らの過去と向き合います。不条理な運命の中で、登場人物たちは光を見出していく姿が描かれます。