アートの未来を切り拓く共同保有の仕組みとその可能性
今回紹介するのは、アートの世界に新たな風を吹き込む「SMADONA」という企業の取り組みです。この企業は、共同保有というコンセプトにブロックチェーン技術を組み合わせることで、美術品の価値形成や保管、展示、継承に関連する新たな仕組みを構築しています。
美術品を公共の財とする意義
美術品や文化財は人類にとっての公共財であるという理念が、成熟したコレクターの間で共有されています。この観点から、作品は多くの人々に観てもらうことで社会に貢献するだけでなく、その価値も高まると考えられています。私有の概念は一時的なものであり、後世に作品を引き継ぐことが重要と指摘されています。
アートを身近にする仕組み
SMADONAが取り組むプラットフォームの核心は、特定の富裕層に限らず、アートに興味を持つ多くの人々が作品を購入できる機会を提供することです。これにより、アートシーンへの参加が容易になり、結果として公共の場での作品展示が促進されることが期待されています。
また、ブロックチェーン技術を利用した来歴管理や、適切な保管体制により、アート作品を次世代に最高の状態で継承することが目指されています。提供されるシステムは、アート市場の透明性や信頼性を向上させ、一般の人々にアートへの興味を喚起することが期待されています。
プロのキュレーションによる質の高い作品
作品の選定に関しては、著名な美術展覧会のプロデューサーやキュレーターとして知られるヒロ杉山氏が担当します。彼は京都造形美術大学の客員教授であり、アート市場における経験と知識を生かして、質の高い作品を提供します。杉山氏はこの共同所有の概念に対して非常に興味深いと述べており、特に日本のアート市場の強化につながると評価しています。
ヒロ杉山氏の見解
「日本のアート市場は弱いと言われているが、この新しいシステムはアーティストの大きな支援となり、そのモチベーションを高めることに繋がるだろう」とヒロ杉山氏は語ります。アートを所有することが一般の人々にとってハードルが高いとされる中、このシステムは日本のアート業界が抱える問題を解決する一助となることが期待されます。
SMADONAの現状と今後の展望
SMADONA株式会社は、東京都渋谷区に本社を構え、2017年に営業を開始しました。代表取締役の長崎幹広氏は、長年にわたって広告業界で培った経験を活かし、アートの分野においても新しい価値創造を目指しています。
この企業の活動は、アートをより身近に、そして楽しむことができる社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。これからも共同保有とブロックチェーン技術によって、アートの世界はますます広がりを見せることが期待されます。
SMADONAの詳細については、公式サイト
https://smadona.com をご覧ください。