家族の近さを描く舞台『Things I Know To Be True』
2026年10月8日から18日の間、神楽坂シアターでオーストラリアの名劇作家アンドリュー・ボヴェルの代表作『Things I Know To Be True』が上演されます。主催は演劇団体Prayers Studioで、たった26席の客席を用意し、観客との距離を最重視した舞台作りが特徴です。
この作品は、愛するがゆえにすれ違う家族の絆とそれに伴う複雑な感情を、至近距離から描き出します。特に最前列での間隔はわずか50センチで、まるで同じ部屋にいるかのような臨場感があります。観客はただ物語を眺めるのではなく、まさにその場の一員となり、家族の心情に深く触れることができるでしょう。
物語の背景には、オーストラリア・アデレードのプライス家があります。家族の一員である末娘が失恋を抱えながら帰省する夏から、次第に家族の日常が揺らいでいく様子が描かれます。それぞれが持つ「本当のこと」が、家族の生活に影響を与え、愛情や衝突、人間関係の変化をリアルに表現しています。
家族の選択、人生の選択
作品のテーマとして「愛しているから、そばにいてほしい」と「愛しているから、自分の人生を生きてほしい」という相反する感情が描かれています。家族として過ごすことができるのか、家族間の選択がそれぞれの人生にどう影響を与えるのか。観客は、物語を通じて自身の人生や家族を振り返る機会を得ることができるでしょう。
代表の渡部朋彦は、「観客が物語を観ている最中に、いつしか自分の話のように感じてほしい」と語ります。その狙いは、見知らぬ家族の姿に自分の家族やパートナー、さらには過去の自分を重ね合わせることで、劇終演後には大切な誰かと会いたくなるような感覚を植え付けることです。
心の距離を縮める空間
Prayers Studioがこの作品に込めた思いは、演劇を通じて観客と俳優との間に生まれる心の距離を縮めることです。全26席という限られた座席数により、しっかりとした観劇の体験が可能です。俳優の息遣いや、瞬間の表情の変化、そして言葉の裏にある感情すべてを、限りなく近い距離で感じ取れる瞬間に、何度も心が揺さぶられることでしょう。
過去の公演では、観客が俳優のリアルな演技に触れ、思わず反応する場面も多く見られました。この作品は家族の愛情や衝突、思いを繊細に描写することによって、観る者の心を捉えます。
参加型企画「ドラマトライアル」
さらに、10月12日と18日には、観客が物語の一部に参加できる「ドラマトライアル」というワークショップも開催されます。この企画では、上演後に観客が物語の人物になりきって対話をしたり、台本を読み合わせたりするなど、作品を別の角度から楽しむことができます。参加者からは「感情が動く」「何度でもやりたくなる」という声も寄せられ、人気の企画となっています。
観客はもちろん、役者や関係者など、すべての人が一体となって作品を創り上げたり、感じたり、思ったりすることができる特別な空間を提供します。
公演詳細
『Things I Know To Be True』の公演は、下記の通りです:
- - 作: アンドリュー・ボヴェル
- - 演出・翻訳: 渡部朋彦
- - 公演日: 2026年10月8日(木)~18日(日)
- - 会場: Prayers Studio 神楽坂シアター
- - チケット: 前売 5,000円、当日 6,000円
詳細やチケット予約は公式サイトをご確認ください。家族にまつわるリアルな物語を、あなたもこの機会にぜひ体感してみてください。