ブラジル・セアラ州出身のミュージシャン、ヒカルド・バセラールが7月9日と10日、東京のブルーノート・プレイスで2夜連続公演を行いました。
1日目と2日目で異なるパフォーマンスを披露し、観客を魅了しました。バセラールは7月中旬まで日本ツアーを開催中で、13日は福岡、18日は鎌倉(神奈川)、20日は再び東京でライブを行う予定です。
ブルーノート・プレイスでの公演では、2日目の夜にインストゥルメンタル曲の「Fogueira」が演奏されたことが大きなサプライズとなりました。同曲は、チェリストのジャキス・モレレンバウムと共同制作したアルバムに収録される予定です。フォホーのリズムにのせて、バセラールならではの特徴を持つ楽曲が奏でられ、ステージではマルキーニョス・ラモスと村田匠が出演し、パンデイロを演奏しました。
同じくインストゥルメンタル曲で、ブルーノートでの公演のために特別アレンジで演奏された「Vila dos Pássaros」も話題となりました。世界が過酷な状況下にあったコロナ禍の最中に書かれたというこの作品の曲調は、聞く人を鼓舞し前向きな気持ちにさせる力があると言われています。
歌手のマリアンジェラは、「Upa, Neguinho」でバセラールと共演し、歌手の山田タマルも出演し、バセラールとともに「O Barquinho」を披露しました。この曲は、バセラールに説得されたボサノヴァの巨匠ロベルト・メネスカルが歌ったバージョンが先日再リリースされました。
また、バセラールは日本へのオマージュとして、海外では「スキヤキ」の題名で知られる「上を向いて歩こう」をレパートリーに加え、マリアンジェラ、山田タマル、村田匠とともに演奏しました。
コンサートを鑑賞したセアラジャパンのチアゴ・マルソン・フォンセカ代表は、「ブラジルの優れた音楽が、二つの文化の間を流れるように見事に演奏されるのを聴くことは、我々ブラジル人にとって素晴らしい経験となった」と述べています。
ブラジル音楽に関する書籍「ブラジル・インストルメンタル・ミュージック・ディスク・ガイド」の著者であるウィリー・ウーパー氏は、「5年半振りに来日したヒカルド・バセラール。ブルーノート・パレスでは30分強の2セットという短めのステージだったが、ミルトンやエドゥ、ジル、ジョルジ・ベン、ベルキオールといったMPBスタンダード曲から、メネスカルのボサノヴァ曲、そしてオリジナルのフォホーまで、ブラジル色満載の内容となった。初顔合わせのゲスト・シンガー達とも上手く調和できたのはバセラールのセンスの良さだろう。次の機会はじっくりと聴いてみたい」と語っています。
第1夜は中原仁、第2夜は桜井芳次郎がミュージックセレクター(DJ)を務めました。
コンサートの制作はトゥピニキーム・エンターテインメントが担当しました。