THK株式会社、工具監視AIとファナックCNCの連携を開始
THK株式会社は、設備の総合効率を最大化するためのプラットフォーム「OMNIedge」の新しい機能強化として、ファナック株式会社が製造するCNC(コンピュータ数値制御)装置とのリアルタイム連携を2025年9月より開始することを発表しました。この連携は、THK_の「工具監視AIソリューション」の利便性を大幅に向上させ、製造過程における工数の削減や不良品の防止に寄与することが期待されています。
効率的な不良品防止と工具管理
THKの工具監視AIソリューションは、工作機械のサーボアンプケーブルに取り付けた電流センサや、CNC装置のデジタル入力信号を利用し、加工中の波形データを分析。これにより、正常なモデルを基に工具の異常をリアルタイムで検知する技術を実現しています。これまでに、旋盤やマシニングセンタ、自動盤など多様な工作機械で導入が進められ、工具の微細なチッピングや欠損を検知し、不良品の排出を防止する役割を果たしてきました。これにより、ユーザーは工具交換のタイミングを最適化し、製造効率を向上させることができます。
CNC装置との連携によるメリット
新たにファナックのCNC装置とのデータ連携が実現することで、立ち上げや運用にかかる時間と工数を大幅に減らすことができるようになります。従来のように、CNC装置からデジタル信号を入力するためのラダープログラムの編集や、加工品目と波形データの紐づけ作業が不要になります。これにより加工プログラムや工具番号といった情報をリアルタイムに取得することが容易になり、ユーザーにとってスムーズな運用が期待できます。
混合生産における精緻な異常検知
特に、製品の加工中に異なる品種に切り替える必要がある場合にも、今回の連携は大きな効果を発揮します。品種ごとの正常モデルを自動で切り替えることにより、より精度の高い異常検知が可能となり、生産工程の効率化に繋がるでしょう。
より便利なワンパッケージソリューション
この機能は、THKのOMNIedgeが提供する包括的なソリューションであり、電流センサやAIコントローラなどのハードウェア、通信環境、さらにはソフトウェアが全て一つのパッケージとして提供されるため、お客様は特別な選定をせずとも迅速にテクノロジーを利用開始できます。これにより、すぐに生産現場に導入しやすく、効果的な運用が期待されます。
THKの取り組み
THKは1971年に設立以来、機械の直線運動部の“ころがり化”に注力し、LMガイドを世界に先駆けて製品化して以来、様々な産業界において革新をもたらしています。近年は、鉄道車両や医療機器、さらにはアミューズメント機器など、多岐にわたる分野での展開を進めています。
今回の新たな連携により、THKは製造業の未来に向けた革新をさらに加速し、OEEの最大化に寄与します。今後も不断の技術革新を続け、ユーザーにとって最適なソリューションを提供することで、製造分野での競争力を高めていくとしています。
詳細な情報は
THK株式会社のウェブサイトをぜひご覧ください。