NTTスマイルエナジーが始める新たな電気サービス「さるるコントロール」
株式会社NTTスマイルエナジーは、小売電気事業者向けに新しい遠隔制御サービス「さるるコントロール」を2025年7月1日から提供開始すると発表しました。この記事では、この新サービスの詳細な内容と期待される効果についてご紹介します。
1. サービス提供の背景
NTTスマイルエナジーは、再生可能エネルギーの普及と安定的な電力供給を目指し、2016年から分散型エネルギーリソース(DER)に関する実証事業に取り組んでいます。この取り組みを通じて、DERの高度な制御技術を開発し、効率的な電力使用の実現を目指してきました。
同社は、2019年からはAIを活用した蓄電池制御機能を持つ「ちくでんエコめがね」というサービスも展開し、実績は延べ14,000件に達しています。このような経験と知見を基に、「さるるコントロール」は小売電気事業者のニーズに特化したサービスとして位置づけられています。
2. 「さるるコントロール」の概要
「さるるコントロール」は、小売電気事業者が契約者の施設に設置した蓄電池などのDERを遠隔から管理・制御することで、電力コストを削減する支援を行います。具体的には、次のような機能が含まれています:
- - 利用方法のイメージとして、電力の需要が最も高い時間帯に蓄電池を放電することで、料金を抑える効果が得られます。
- - コスト構造の考慮とし、例えば電力調達コストが低い時間に蓄電池を充電し、高い時間に放電することで、効率的なコスト運用が可能になります。
これにより、電力コスト削減の効果は需要家にも還元されることが期待され、安価な電力料金メニューの提供にもつながります。
3. サービスの特長
「さるるコントロール」の最大の特長は、同社がこれまで培った豊富な実績に基づいた高い技術力です。これまでに約3,400件の同時制御実績があり、小売事業者への安心感を提供します。また、ECHONET Liteに対応しているため、多様な蓄電池をはじめとするDERとの連携も可能です。これにより、特定のメーカーに制約されず様々な機器の遠隔制御を実現しています。
4. 今後の展望
NTTスマイルエナジーは、今後ますます増える小売電気事業者のニーズに応えるため、制御機能の拡張を進めていく方針です。これにより、事業者の利益向上とエネルギー需給の安定化を図る考えです。
この「さるるコントロール」は、今後のエネルギー市場における重要なサービスとなることでしょう。各小売電気事業者にとって、コスト削減と効率的な電力運用が可能な新たな選択肢となることが期待されます。