映画監督 アンジェイ・ワイダ展覧会のご案内
映画史において輝かしい足跡を残したポーランドの巨匠、アンジェイ・ワイダ。彼の映画は、社会主義体制に抗いながらもポーランドの厳しい歴史を語り、それが彼の作品の深い魅力となっています。2024年12月10日から2025年3月23日まで、東京の国立映画アーカイブで「映画監督 アンジェイ・ワイダ」と題する展覧会が開催されることが発表されました。この展覧会では、ワイダ監督の60年以上の活動を詳細に振り返ることができます。
展覧会の見どころ
本展は、2019年にポーランドで開催された回顧展の初の海外巡回であり、ポーランド国内の多くの協力機関がバックアップしています。今回はクラクフの日本美術技術博物館Mangghaのコレクションを中心に、約190点の貴重な資料が展示される予定です。特に、日本との深いつながりに着目した視点を盛り込んだ展示は、訪問者にとって新たな発見となるでしょう。
シンプルな展示とは一線を画し、監督自身が描いたスケッチや映画祭での受賞作品、実際に作品で使用された衣装まで、多彩な資料が実物で提供されます。また、ビデオプロジェクションやデジタル展示といった最新技術を駆使し、観客に立体的な作品世界を体験させる工夫が施されています。
多彩な上映企画とトークイベント
展覧会に合わせて、11月26日から12月10日の間に特集上映も行われます。この上映では、日本では未公開の作品に加え、2022年に閉館した岩波ホールの35mmプリントを用いた貴重な上映作品がラインナップされており、定番の『灰とダイヤモンド』なども含まれています。これらの映画は、作品の魅力をより深く理解するための絶好の機会ともなるでしょう。
また、12月14日には特別なギャラリートークも開催予定で、展覧会のキュレーターや専門家が展示品についての解説を行います。
展覧会の構成
この展覧会は、ワイダ監督の作品を6つの章に分けて構成されています。
1.
子どもたちの神話 では、ワイダの少年期と19世紀ポーランドへの憧憬が語られます。
2.
地獄 では、ナチス支配に抗うポーランドの人々が描かれた作品が紹介されます。
3.
新しい波 では、映画界の革命をもたらしたポーランド派の位置付けが明らかになります。
4.
革命 でワイダの社会的活動について探求されます。
5.
(不)死 では、文芸映画に見られるワイダの静けさとノスタルジアが表現されます。
6. 最終章
日本 では、彼の日本との深い関係がクローズアップされています。
開催概要
- - 会期: 2024年12月10日(火)- 2025年3月23日(日)
- - 主催: 国立映画アーカイブ、日本美術技術博物館Manggha、アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート
- - 休館日: 月曜日及び冬季休暇(12月27日-1月5日)
- - 入場料金: 一般250円、大学生130円、65歳以上や障害者は無料(証明書提示必要)
この展覧会は、映画愛好家だけでなく、歴史や文化に興味のある方にも深い感動をもたらすこと間違いなしです。国立映画アーカイブに足を運び、アンジェイ・ワイダの世界を体験してみてはいかがでしょうか。