ニシオホールディングスのMCH水素発電ステーションの可能性
ニシオホールディングス傘下の西尾レントオール株式会社は、大阪を拠点に水素エネルギーの活用に注力しています。最近開発した可搬型の水素発電ステーション「MCHステーション」を用いて、脱炭素社会に向けた実証実験を開始しました。この取り組みは、カーボンニュートラルを実現するための重要なステップとされています。
MCHステーションの概要
MCHステーションは、水素を有機ハイドライド技術を利用して安全に輸送し、安定した電源供給を行うための装置です。水素は、軽量で拡散しやすいため、取り扱いには細心の注意が必要ですが、MCHステーションはその特性を克服する技術を用いています。具体的には、気体の水素を液体有機水素キャリア(LOHC)であるMCHに変換し、必要なときには水素を分離して電力として供給します。
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輸送および貯蔵の過程:水素はトルエンと反応させてMCHに変換し、常温常圧で約1/500の体積に圧縮され、安全に取り扱うことが可能になります。
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使用時の流れ:使用する際はトルエンと水素を分離し、必要な電力を供給する仕組みです。分離したトルエンは再利用されます。
開発の背景と課題
現在、カーボンニュートラルが世界的な課題となっていますが、二酸化炭素を排出しない水素エネルギーの活用は、特に建設業界にとって不可欠です。また、電源設備が整っていない地域や特定の条件下での電力供給が求められており、MCHステーションはそのニーズに応えるものとして期待されています。
例えば、山間部やトンネル内部など電源インフラが整備されていない工事現場、さらには騒音や排ガスに対して規制がある都市部での使用が想定されています。また、災害時の非常用電源としての需要も高まっています。
今後の計画
現在、西尾レントオールは、フレイン・エナジーなどのパートナー企業と協力し、MCHステーションの実用性を検証しています。2025年内にはフィールド実証を行う予定で、今後の進展が期待されます。
特に注目されるのは、2023年9月19日に行われる電動建機試乗会@関西での実機展示です。このイベントはご招待制ですが、そこでのフィードバックを基にさらなる改良を進めることでしょう。
持続可能な社会への使命
西尾レントオールは、取り組みを通じて持続可能な社会の実現に向けて貢献し続けることを目指しています。新たな技術の導入は、単に電動建機の使用にとどまらず、様々な現場が抱える課題を解決するための手段として示されています。これからも、レンタル技術を通じて脱炭素を実現する多様な方策に取り組むでしょう。持続可能な未来のため、MCHステーションはその第一歩となるのかもしれません。