副業・兼業実態調査から見える新たな働き方とスキル活用法
パーソルキャリア株式会社が運営する『Job総研』による「2025年 副業・兼業の実態調査」が発表されました。この調査では、357人の社会人を対象に、年収別の副業経験や意向、副業収入の実態と理想、さらには副業に対する不安が調査されています。
社会人の副業意向の高まり
調査によると、全体の39.2%が副業経験を持ち、今後66.7%が「副業を始めたい・続けたい」と回答しています。特に、年収701万〜1,000万円以下の人々が最も多く副業経験を持っていることが分かりました。この結果は、経済的な不安が高まる中で、副収入を得るための副業が選ばれる理由を示しています。
さらに、今後の副業を望む意向が年収501万〜700万円の層で特に高く、これは安定収入を得たいというニーズを反映していると言えます。調査結果は、都市部に比べ地方では副業環境が整っていないことも示唆されており、地方自治体は副業促進に向けた取り組みを強化中です。
副業収入の実態と理想のギャップ
副業経験者から得た実際の副業収入は月平均5.4万円でしたが、理想の収入は倍の10.8万円に達するという結果が明らかになりました。このギャップは、副業が期待通りの収入をもたらさないと感じる多くの人々の現状を示しています。このような期待と現実の違いが、副業への取り組む意欲に影響を与えているのかもしれません。
副業を取り巻く不安や懸念
副業を持つ多くの人々は、「収入に見合わない労力になること」や「プライベートや本業が疎かになるのではないか」という不安も抱えています。調査では、最も多くの人が挙げた懸念は収入に対する労力の不一致であり、次いでプライベートの犠牲や本業への影響が続きました。
地方副業への関心とその理由
調査の結果、78.1%の人々が「スキルを役立てたい」と回答し、76.5%が地方での副業に興味を示しました。多くの人が副業を通じて自分のスキルを地域に還元したいと考えており、空いている時間の有効活用や地方創生への貢献がその理由として挙げられています。しかし、「地方副業を知らない」といった声も多く、情報不足が課題となっています。
今後の副業状況と課題
今後、調査から明らかになったのは、副業が単なる補助的な収入源ではなくなりつつあるということです。参加者の多くが副業に対する期待を持ち、大部分が副業から得られる利益が求められていることが示されています。中でも、「資産運用型」や「IT・デザイン系」といったスキル活用型の副業への関心が高まっています。
この調査は、働き方改革やテレワークの普及により、副業が進化した新たな選択肢として位置付けられることを示唆しています。今後の副業市場の発展には、環境面や制度の整備、情報提供が必要です。
副業は新しい働き方の一環として、多様な選択肢と可能性を提供していることが明らかになりました。これを踏まえ、企業や自治体、関連事業者が協力して支援を提供することで、より多くの人々が副業を通じてスキルを活用し、新たな価値を提供することが期待されます。