ペッツファーストの新たな取り組み:ペットの健康を守るために
ペッツファーストホールディングス株式会社は、東京都目黒区に本社を置き、理念「Pets always come first」に基づいて活動をしています。最近、業界内で問題視されているペットオークションやブリーダーの「日齢偽装」問題に対抗するため、ペットの取引日齢を段階的に引き上げる新しい方針を打ち出しました。今回はその進捗状況について、詳しくお伝えします。
取引基準の引き上げとその効果
同社は、ペットの取引日齢を法令で定められた57日齢以上から、2024年2月末までに60日齢以上に引き上げる予定です。2023年3月には、取引されるペットの15.9%が60日齢以上でしたが、6月には43.1%に増加しました。特に子猫に関しては驚異の98.1%に達するなど、継続的に改善を進めています。この取り組みが実を結び、2025年2月までには子犬も含めて100%を目指しています。
取引日齢を引き上げる理由は、幼い犬猫が親や兄弟と過ごす時間を増やすことで社会化が促進され、今後の問題行動を軽減できることや、免疫力を高めることが期待できるからです。これは、動物行動学の観点からも重要であり、わずか3日間の引き上げが心身の健康リスクを軽減する重要な施策であると同時に、将来的には更に9週齢(63日齢)への引き上げも目指しています。
社会的責任への意識
2023年2月には、環境省からペットオークションやブリーダーに関する一斉調査結果が発表され、業界内での問題意識が高まっている中、ペッツファーストはその責任の重さを感じています。ペットの健康管理と法令遵守を徹底し、必要な対策を講じることが求められています。
同社は、2022年6月からはペットオークションを通じた取引を全て停止し、契約ブリーダーとの直接取引に切り替えました。これにより、ペットの健康管理に対するコンプライアンスがより強化されていくことが期待されます。
健康管理システムの強化
ペッツファーストでは、新規ブリーダーとの契約前には、担当者が実地での確認を経て契約を結ぶという厳格なプロセスを採用しています。この確認作業には、動物愛護管理法の遵守状況やペットの健康状態、飼育環境の確認が含まれます。取引が開始されると、ペットの健康状態に関する情報を随時確認し、引き受ける際には獣医師による健康診断が行われます。このようなダブルチェック体制が確立されており、ペットが心身ともに健康であることが確認されない限り、店舗へ提供されることはありません。
獣医師のサポートは不可欠であり、過去3月以降にウェルネス管理センターで確認したペットは全て57日齢以上であり、きちんとした健康診断を受けた上での取引が行われています。厳格な健康管理により、万が一の問題が発生した場合も迅速に対応が取られます。
獣医師の視点
日本獣医生命科学大学の田中亜紀特任教授は、60日齢以上の取引基準引き上げがペットの心身の健康維持に寄与することを期待しています。ペッツファーストの取り組みは、ペットに与えるストレスを軽減し、将来的な健康問題を未然に防ぐ重要な施策とされています。
今後の展望
代表取締役社長の正宗伸麻氏は、ペッツファーストが引き続き「さらなる高い基準」を目指して取り組みを続けていく方針を示しています。ペト業界において、透明性を高めることと同時に、動物たちの健康を最優先に考えることが、ペッツファーストのビジョンであると言えるでしょう。
まとめ
ペッツファーストホールディングスは、ペットの健康管理と業界の透明性向上に向けて具体的な施策を進めています。社会全体でペットが安心して暮らせる環境を整えるため、今後も様々な取り組みを展開していくことでしょう。