組織成長の鍵を握る「人事の仕組み化」
2023年に開催されたセミナーでは、企業の成長過程における「人事の壁」に関する重要なテーマが取り上げられました。このイベントには多くの経営者や現場の担当者が参加し、熱心に議論が交わされました。本記事では、当日のセミナーの要点とともに、その熱気をお届けします。
成長企業が直面する「人事の壁」とは?
多くの企業が発展する中で直面する共通の課題として、「事業は拡大しているのに、採用や育成が追いつかない」「構築した人事制度が、現場で形骸化してしまっている」といった声が挙げられます。この背後には、経営層が求める「戦略」、それを実行するための「仕組み」、そして現場に必要な「スキル」がそれぞれ疎結合であるという根本的な問題が存在しています。
セミナーでは、専門家たちがこの課題に対する具体的な解決策をユニークなクロストーク形式で提示しました。
セッション1:人事専任者の配置タイミング
最初のセッションでは、RECOMOの橋本氏が「一人目人事」を設置する最適なタイミングについて考察しました。彼によると、重要なのは「人数」ではなく「事業課題が顕在化した時点」だと指摘します。
一人目人事が必要になるサイン
1. 経営者が人事に忙殺され、本業に集中できない。
2. 労務トラブルや不満が増加し、組織の歪みが生じ始めたとき。
3. 事業戦略と人事戦略のズレを感じたとき。
ここで重要なのは、一人目の人事を単なる実務担当者にするのではなく、経営戦略を理解し実行できる「事業パートナー」として位置付けることです。経営者は、任せる業務と任せてはいけない業務を明確に区別する必要があります。
セッション2:人事制度の「仕組み」
続いて、識学の國分氏が人事制度の「仕組み」に焦点を当てました。彼は、組織運営が個人的な感覚に依存するリスクについて警鐘を鳴らし、「全ての仕組みは『評価制度』から逆算して設計すべき」と述べました。
評価制度を軸にするメリット
- - 判断基準の統一:誰を、何を評価するのかという基盤が明確になる。
- - 施策の一貫性:評価基準から逆算することで、採用要件、育成計画、配置が一貫して動く。
- - 属人化の排除:ルールが運用の基本となり、担当者が変わっても安定する。
このアプローチは、多くの参加者にとって新しい視点を提供し、非常に有益でした。
セッション3:採用運用の具体策
最後に、LUFの韓氏が「採用運用」における課題について提言しました。彼は、仕組みがあっても採用が失敗する場合の最大の要因は、「人材要件定義」が曖昧であることだと説明しました。
再現性のある採用の鍵
- - 感覚からの脱却:採用は専門的なスキルであって、センスではないという認識を持つ。
- - フレームワークの活用:評価制度と連携してスキルや社風を明文化する。
- - 採用担当者のリスキリング:この「人材要件定義」のスキルを持続的に学び続ける。
まとめ:強い組織を作る要素
今回のセミナーで浮き彫りになったのは、成長企業のための組織作りに必要な要素が「戦略」「仕組み」「スキル」の3つが緊密に連動しているという点です。
- - 経営視点の「戦略」
- - 再現性を生む「仕組み」
- - 仕組みを機能させる現場の「スキル」
このうちのどれか一つが欠けると、組織は機能しません。本セミナーが参加企業の組織づくりにおいて、これら3つの要素を連携させるための貴重なヒントとなれば幸いです。
採用担当者のスキルアップのために
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会社概要
- - 会社名:LUF株式会社
- - 所在地:東京都港区東麻布1-9-15
- - 代表:堀尾 司
- - 設立:2022年7月4日
- - 資本金:2000万円
- - HP:luf.co.jp