ASDの特性を理解し、支える社会を目指して
近年、ASD(自閉症スペクトラム)に対する理解が進みつつあります。しかしながら、依然として多くの保護者はその特性や育て方に悩みを抱えています。博報堂とLITALICO発達ナビが実施した「ASDと子育て実態調査」の結果から、ASDの子どもを持つ親たちの声や期待が浮き彫りになっています。
調査の背景
この調査は、ASDの実態や子育てのヒントを提供することを目的に行われました。「教えて!はったつ博士」というウェブサイトでさらなる詳細が公開されており、専門家や保護者が連携して発信することで、ASDの理解を深める努力を行っています。
調査の概要
調査対象
調査対象者は全国から選ばれた20〜60代の男女で、ASDと診断された子どもを持つ545名と、そうでない典型的発達を示す子どもを持つ747名の保護者が参加しました。
主な調査ポイント
調査結果によると、ASDの子どもを持つ保護者は、一般的な子どもに比べて特有な性格や特徴を認識していることがわかりました。特に顕著な点は、
探索心の強さや
没頭力です。
- - 探索の強さ: ASDと診断された子どもの保護者の60.2%が「好きな物や興味があることに対する探索心が強い」と回答し、典型発達の子どもに比べ約14ポイント高い結果でした。
- - 没頭力: 自分が納得するまで取り組み続ける姿勢は43.1%の保護者が認め、「典型発達の子」に比べ約20ポイント上でした。
ASDの特性が持つ意味
また、ASDの子どもたちの特性とその特長について保護者がどのように考えているかも重要なポイントです。調査では、ASDの子どもに対して「発達特性が強みになると思う」と答えた保護者が約60.9%を占め、子どもたちの特性を前向きに捉えようとしている姿勢が伺えました。
未来への期待
子どもたちの将来についての期待として、「親元を離れても日常生活を送れるように」という回答が最も多く、70.3%の保護者がこの点を挙げています。また「好きなことを伸ばす」「自信を持つ」ことを望む声も多く、特に周囲に助けを求める能力を期待する保護者はASDの子どもを持つ親が約60%という結果でした。これは、新たな社会的支援が必要であることを示しています。
保護者たちのリアルな声
保護者たちが「好きな物や興味」の探究心がどれほど強いか、自由回答のエピソードからも明らかになりました。8つの特性が際立ち、「独自性」、「収集量」、「想像力」などが挙げられます。これに関連するエピソードは多々あり、子どもたちの強みを理解し、支えていくことが大切です。
業界の発信と今後の展開
この調査は、ASDに関する理解と支援の普及を目指す重要な一歩です。3月には第三弾が発表される予定で、理解や支援の重要性について深堀していく予定です。また、調査の結果や情報は「教えて!はったつ博士」サイトで随時更新され、多くの人々がこの情報を活用できるよう、さらなる努力が求められています。
まとめ
ASDの子どもを持つ保護者の声を基にしたこの調査結果は、理解や支援がいかに社会全体で重要であるかを教えてくれています。探究心や独自性を大切にしながら、ASDの子どもたちの未来がさらに明るいものとなるよう、これからも様々な支援が必要です。