タイに新設されたSWANラボが実現する日本品質の塗装テストの未来
アネスト岩田株式会社が8月1日にタイに開設した「SWANラボ」が、東南アジアにおける日本品質の塗装技術を劇的に進展させる可能性を秘めています。このラボは、アネスト岩田の連結子会社であるANEST IWATA Southeast Asia Co., Ltd.の施設内に位置しており、現地で高品質な塗装テストを行うための有効な拠点となります。これにより、タイの企業は日本に赴くことなく、直接SWANの技術を体験し、導入を検討することができるようになります。
SWANの魅力とは?
SWANは、柔軟性が高い塗装システムで、様々な塗装ニーズに応えることができるオールインワンの機器です。具体的には、防爆ロボット、回転機構付き搬送装置、専用スプレーガン、コントローラ、そして塗料供給装置(シリンジポンプ)が一体となっており、設置後すぐに塗装作業を始めることができます。また、高さや幅に応じた柔軟な対応が可能で、回転直径500mm、高さ500mm以内のワークに対して複雑な形状でも精密な塗装が可能です。これにより、どういった形状の製品でも高いクオリティーで仕上げることができるのが特徴です。
SWANラボの機能と目的
SWANラボは、主にお客様が塗装設備を導入する際にSWANシステムによる塗装テストを行うための施設です。これまで日本国内で行われていた塗装テストを、タイで実施できる環境が整ったことで、より多くの企業に対して日本の塗装技術を提供できる機会が増えることが期待されています。
塗装ロボット導入の流れ
SWANラボでの塗装テストは次のような流れで進められます:
1.
ヒアリング:お客様のニーズをヒアリングし、被塗物、量産体制、設置スペースなどの詳細を伺います。
2.
レイアウト設計:塗料供給ポンプやスプレーガン、安全柵といった周辺機器をトータルでコーディネートしたレイアウトを設計します。
3.
塗装テスト:実機を用いて、実際の塗装テストを行い、完成した塗膜をご確認いただきます。
4.
ご注文:必要に応じて現場確認を行った後、お見積もりを提出し、ご注文を承ります。
企業の背景
アネスト岩田株式会社は1926年に設立され、95年の歴史を持つ塗装機器メーカーです。横浜市に本社を構え、現在では20カ国以上に拠点を展開し、世界中で製品を供給しています。特に国内外での特許出願は1,200件を超え、革新的な技術を常に追求している企業です。塗装以外にも液圧機器や空気圧縮機など、幅広い製品を手がけるアネスト岩田のSWANシステムが、今後の東南アジアの市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。
アネスト岩田による新たな市場開拓の動きは、タイを皮切りにさらなる地域拡大が予想され、日本品質の塗装技術を広める大きな一歩となりそうです。