フランスの現代美術が集結する展覧会
東京・銀座のメゾンエルメスル・フォーラムで、「体を成す からだをなす」と題した魅力的な現代アート展が2025年7月19日から10月12日まで開催されます。この展覧会は、フランスのダンケルクにある現代美術コレクション、FRAC Grand Large(フラック・グラン・ラルジュ)が所蔵する数多くの作品を通じて、アートと社会との関係性を考察するものです。
FRAC Grand Largeの由来と意義
FRAC Grand Largeの前身となるFRAC Nord-Pas de Calaisは1982年に設立され、1996年にダンケルクに移転しました。時を経て、750名以上のアーティストやデザイナーによる2000点を超える作品が公共コレクションとして蓄積されています。これらの作品は、1960年代以降のフランスだけでなく、国際的な現代美術やデザインの潮流を映し出しています。
このコレクションは、美術館やアートセンターとの協力を通じて国際的なアートネットワークを構築し、地域に根ざした展覧会を行うなど、地域社会におけるアートの重要性を強調しています。そして、この展覧会「体を成す からだをなす」は、現代社会におけるアートの役割を問い直す試みの一環として位置づけられています。
展覧会のテーマと作品
「体を成す からだをなす」というタイトルは、フランス語の「Faire Corps」に由来し、「一体となる」「調和する」ことをテーマに掲げています。コレクションのディレクターであるケレン・デトンがキュレーターを務め、フランスや英国、ベルギー、イタリア、ギリシャなどから選ばれた13名のアーティストによる作品が集結。
今回の展覧会では、1973年から2025年までに制作された作品が紹介され、現代美術における社会的身体の視点に焦点を当てます。特にアートが私たちの日常生活にどのように影響を与えるのか、その可変性に目を向けることが期待されています。
具体的には、1970年代の有名なパフォーマンス作品《In the Kitchen》や、映像作品《サイドショー》などが展示され、多様な視点から身体や社会に関する問題を提示します。これらはアートと社会との関わり、そして表現メディウムの変容を示唆するものです。
アーティストの紹介
本展には、現代アートのさまざまなジャンルから選ばれたアーティストが参加します。特に注目されるのは、ヘレン・チャドウィックやアンドレ・カデレといったアーティストによる、社会的、文化的なメッセージが込められた作品です。
ジェシー・ダーリングやタレク・ラクリッシといった新進気鋭のアーティストも展示に参加し、個々の身体性やアイデンティティに関する重要な視点を提供します。彼らの作品は、現代の社会環境における脆さや多様性を象徴し、アートが持つ力を感じさせるでしょう。
初めに訪れるべき理由
「体を成す からだをなす」は、単なる展覧会に留まらず、アートを通じた新たな視角を提供する貴重な機会です。入場料は無料で、広く市民に開かれたこのイベントは、アートを愛する方にはもちろん、初めてアートに触れる方にとっても素晴らしい体験となることでしょう。
ぜひこの機会に現代のアートがどのように私たちの生活に溶け込んでいるのかを体感してみてください。場所は、銀座メゾンエルメスル・フォーラム8・9階で、開館時間は11:00から19:00まで。水曜日は休館日です。最新の開館情報については、ウェブサイトを確認してください。