慶應義塾大学とジャパン・メディカル・カンパニーが進める赤ちゃんの頭蓋変形研究
このたび、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京・中央区)が慶應義塾大学と連携し、赤ちゃんの頭のかたちに関する新たな共同研究を開始することが発表されました。この研究は、主に小児科、形成外科、脳神経外科の診療科で専門性を活かしながら進められます。日本国内で赤ちゃんの頭蓋変形に対する治療や関心が高まる中、その研究はまだ十分ではなく、その重要性が理解されています。
研究の背景と目的
現在、赤ちゃんの頭のかたちの歪みは医療現場で注目を集めていますが、具体的なリスク因子や長期結果についての理解が不足しているのが現状です。慶應義塾大学では2024年5月から乳幼児の頭に特化した診療が始まります。この新たな共同研究により、専門医たちが集まり、乳幼児の頭蓋形状に関する科学的知識を深めることが期待されています。
修士号を持つ鳴海覚志教授が率いる研究チームでは、以下の三つのテーマに焦点を当てています:
1. 乳幼児の頭蓋変形のリスク要因の検討
2. 位置的頭蓋変形の長期予後の調査
3. 日本人の平均前頭形態の検討
これらの研究を通じて、赤ちゃんの頭の適正な健診や治療法についての新知見の創出を目指します。
各専門医のコメント
鳴海覚志教授(小児科)
鳴海教授は、「向き癖が原因となる乳幼児の頭蓋変形について、現場のデータを用いてリスク因子や予防策を探求していきます。ヘルメット治療によるアプローチが多くの家族に貢献できることを願っています。」と話しています。
坂本好昭専任講師(形成外科)
坂本講師も「位置的頭蓋変形の長期的な経過についての理解を深めることで、適正な治療の必要性を評価することが重要です。」と述べ、教育と治療の一体化を目指しています。
三輪点専任講師(脳神経外科)
三輪講師は、「日本人の平均頭蓋形態を基に、手術計画を立てることができるようになれば、さらなる安全性と精度が期待できます。」とコメントしています。
新技術とアプリの導入
ジャパン・メディカル・カンパニーの「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」を活用することで、赤ちゃんの頭の形状を簡単に計測できる機会が増えています。このアプリは、医師の監修のもとで開発されており、すでに累計25万ダウンロードを超え、多くの家族に利用されています。ヘルメット治療を受ける際の基準を確立し、親たちに安心を提供することが、この研究の重要な目的でもあります。
今後の展望
この共同研究は、今後の頭蓋形状に関する新たな治療法や診断基準の確立に大きく寄与することが期待されています。ジャパン・メディカル・カンパニーは、これまでの経験を活かし、業界全体での認知拡大に努める意向を示しています。また、今後も医療機関や専門家と密に連携し、赤ちゃんとその家族にとって安心できる治療環境の確立を目指します。