流動性の改善を目指す新ファンド
株式会社ケップルグループが、未上場株式へのダイレクトセカンダリー投資を行う「Kepple Liquidity 2号投資事業有限責任組合」を設立し、61億円のファーストクローズを達成しました。この新ファンドは、急速に拡大する国内のスタートアップエコシステムにおいて、流動性の不足を解消するための最後のピースとして位置付けられています。
ダイレクトセカンダリー投資の特徴
ダイレクトセカンダリー投資は、既存の株主から個別のスタートアップ企業の株式を譲り受ける方式です。これにより創業期からの株主は、タイミングを見て資産の流動化を図ることができます。この取引によって得られた利益は、さらに新たなイノベーションの創出に使われるため、スタートアップの持続的な成長へとつながります。
また、株主が交代することで、スタートアップは成長に必要な時間を確保し、企業価値を向上させることが期待されます。このように、ダイレクトセカンダリー投資の推進は、持続的なスタートアップエコシステムの成長に寄与することになります。
先行する1号ファンドの成功
「Kepple Liquidity 1号ファンド」は、2022年に設立され、3年で累計50回・総額約70億円の取引を行い、23社の株式を取得しました。中でも、株式会社Liberawareやクラシル株式会社においてはIPO(新規株式公開)、クレジットエンジン株式会社はM&A(合併・買収)を経てEXITを果たすなど、顕著な成果を上げています。この成功を受けて、2号ファンドでもより一層の流動化を目指しているのです。
2号ファンドの位置づけと目的
2025年に向けて、国内未上場株式のセカンダリーニーズは次第に高まると予想されます。VCファンドの満期が増加し、企業が資産の流動化を図る必要性が増す中で、ケップルグループは多様な投資家からの参画を得て、より大規模な投資を実施します。これにより、既存株主にとっての流動化の選択肢を提供し、より高い企業価値での上場を支援する狙いです。
ファンドの基本情報
「Kepple Liquidity 2号投資事業有限責任組合」は、無限責任組合員であるケップルグループ及び代表の神先孝裕、堂前泰志が運営します。運用期間は2025年6月から2032年12月までで、スタートアップ投資市場でのさらなる発展を視野に入れた取り組みが期待されます。
ケップルグループのミッション
ケップルグループは「Create New Industries(世界に新たな産業を)」というミッションのもと、スタートアップエコシステムの発展に貢献する各種事業を展開しています。具体的には、セカンダリーファンドや事業承継ファンドの運営、ファンド運営支援、オープンイノベーション支援、人材・BPOサービスなど多岐にわたる活動を行っています。
さらに多様なニーズに応えることで、スタートアップがより柔軟かつ効率的に成長できる環境を構築しているのです。これからも、ケップルグループの動向から目が離せません。彼らの取り組みが、日本のスタートアップエコシステムをどのように変えていくのか、注目が集まります。