ネオニコ農薬問題への挑戦、2026年度助成4件を発表
公益社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(以下、abt)は、2026年度の「ネオニコチノイド系農薬問題プログラム」において、4件の助成プロジェクトを発表しました。このプログラムは、ネオニコチノイド系農薬に関する科学的研究と市民活動を支援し、「食と生態系の未来」を共に考える取り組みです。
1. 背景と現状
ネオニコチノイド系農薬は、昆虫の神経系に作用する特性を持ち、農業において広く使用されています。しかし、その使用は生態系に深刻な影響を及ぼす可能性が指摘されており、特にEUでは2020年までにいくつかの農薬の使用が禁止されるなど、規制が強化されています。しかし、日本では現在も再評価プロセスが重なり、厳しい規制への道のりは不透明な状況です。
このような状況下、abtは科学調査と市民活動の連携を通じて、持続可能な農業や食の安全を模索する支援を行っています。15年にわたり、91件以上の助成を行い、約1億2,000万円を提供してきた実績も持っています。
2. 2026年度助成の概要
2026年度に採択された4件の助成プロジェクトは、いずれも過去にプログラムで支援を受けた団体や個人による継続的な活動です。具体的な内容は以下の通りです:
- - 中里亮治氏:霞ヶ浦の水中に存在するネオニコチノイドの濃度変化とその影響を調査。
- - 農民連食品分析センター:室内のほこりに含まれるネオニコチノイドの調査を行います。
- - 秋田の環境を考える県民の会:秋田県内でのネオニコの汚染実態を解明します。
- - 城本啓子氏:八重山地域での水田における浸透性農薬の影響を調べます。
これらのプロジェクトは、地域を巻き込みながら、ネオニコフリーやオーガニック農業への具体的な移行を目指すものです。
3. 選考委員のコメント
選考を行った専門家たちからは、各プロジェクトの独自性や地域社会へのインパクトに対する期待の声が上がっています。古瀬繁範理事長は、予算の制約にもかかわらず、助成趣旨に合った取り組みが評価されたと語ります。また、宮田秀明名誉教授は、今回の採択企画には注目すべき点が多く、特に新たに可視化される領域への挑戦を評価しました。
さらに星川淳abt代表理事は、これらのプロジェクトが一般市民にも理解されやすい形で成果を出すことを期待しています。
4. 目指す未来
abtは、農薬のリスクを限りなく低くすることを目標に、科学的知識を活用し地域との協力を進めています。その結果、持続可能な社会を築くための具体的なモデルを提供できることが期待されています。
食と環境を考える上で、今後もネオニコチノイド問題への関心を持ち続けることが必要です。市民が科学に目を向け、問題解決に向かう積極的な姿勢が求められています。
まとめ
「エコロジーの、その先へ」というビジョンのもと、アクト・ビヨンド・トラストは今後も環境問題に取り組み続け、市民活動の重要性を強調していく予定です。2026年度も新たな挑戦が続く中、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すための支援が今後も続くことが期待されます。