2024年企業倒産件数が過去最多の9053件に達する見通し

2024年の企業倒産状況とその背景

2024年には企業倒産件数が834件に達し、前年同月と比較して7.9%増加しました。これは、倒産件数が31カ月連続で前年を上回ったことを示しています。特に、11月としては2013年以来の800件超えとなり、来年の累計が9053件に達する見込みです。これは2015年以来の最多記録です。

この数値には、様々な要因が絡んでいます。負債総額も前年同月に比べ72.7%の増加を見せ、特に電解銅箔メーカーの日本電解が147億6100万円の負債を抱え法的整理に入るなど、影響を受けた企業が増加しています。

主要業種の動き

調査を進めると、サービス業が最も多く、221件に達しました。これは前年同月の196件と比較して12.8%の増加を見せ、33カ月連続で前年を上回っています。また、建設業では人件費や資材価格の高騰が影響し、「設備工事」での倒産が大幅に増加しました。

顕著な傾向としては、狭い業種での分布があることです。小売業や製造業も前年に比べ増加傾向にあり、特に製造業は83件から99件と19.3%の増加を示しています。

地域別の倒産状況

地域別に見ると、9地域中8地域が前年を上回りました。関東地方が最も多く282件で1.1%の増加を見せましたが、北陸は前年同月から倍増し、増加率は100%に達しました。

倒産理由の多様化

倒産の主因も多様化しています。「ゼロゼロ融資後倒産」が55件発生し、1-11月の累計は682件に達しました。また、「人手不足倒産」も初めて年間300件を超える見込みです。人手不足が深刻化する中で、小規模事業者の経営が厳しくなっていることが伺えます。

将来の見通し

今後の見通しとして、企業倒産件数は2024年も緩やかに増加する可能性があります。ゼロゼロ融資の終了や物価高の影響を考えると、企業の収益改善に向けた課題は依然として残されていると感じられます。特に中小企業の倒産リスクは高まっており、年末に向けた資金需要の高まりが、一層の倒産件数の増加をもたらすと予測されます。政府の経済政策も重要なカギとなるでしょう。債務超過状態に陥っている企業をどう再建していくかが、今後の重要なテーマとなります。