会計業界における生成AIを活用するAI研究会
最近、会計業界での生成AI活用を目的とした「AI研究会」が注目を集めています。この研究会は、株式会社エフアンドエムによって運営されており、設立からわずか4か月で170の会計事務所が会員となりました。これは、業界全体におけるAI活用の高まりを表す重要な指標だと言えるでしょう。
AI研究会の活動と特長
エフアンドエムとAI研究会について
エフアンドエムの代表取締役社長、森中一郎氏が運営するAI研究会は、セブンセンス税理士法人の大野修平氏を総合ディレクターに迎えた会計業界特化型のAI活用研究会です。この研究会では、最新の生成AIに関する情報を収集し、実務に活かせる形で提供しています。具体的には、学習用動画や実務に即したプロンプトの提供などを行い、会員が生成AIを活用するための知識と技術を身につける場として機能しています。
発足の背景
会計業界は長年にわたり労働力不足に悩むことが多く、業務の効率化が求められています。生成AIはこの課題に応じた画期的な解決手段として注目を浴びています。エフアンドエムが実施したアンケートによると、56%の事務所が一度でも生成AIを使用したと回答しているものの、実際に実務に活用できているのは少数派に過ぎないのが現状です。コンセプトは「興味はあるけれど、具体的な活用方法が分からない事務所を支援する」ことにあります。
特徴的なプランとサポート体制
AI研究会では、会計事務所ごとの状況に応じて2つのプランを用意しています。また、上級プランに入会することで、すぐに使える実務用プロンプトが提供され、データ分析や顧客対応、内部チェックリストの自動生成などに役立ています。特にこの「実務に活用できるプロンプト」の提供が、170事務所の加入を促進した大きな要因と見なされています。
人材育成とセキュリティ
AI研究会は、単なる情報提供にとどまらず、AIを使いこなす人材の育成にも力を注いでいます。実践的な学びを提供するオンラインサロンや初心者向けの基礎ワークショップが高い評価を得ています。また、データを扱う会計業界特有のセキュリティリスクに対する教育も行っており、独自の「AI活用に関するセキュリティガイドライン」を作成して、安心してAIを導入できる環境を構築しています。
2025年に向けた展望
AI研究会では、今後も多くの事務所に具体的な支援を提供し、中小企業の活性化を促進していく方針です。会計業界を魅力的な職場にするため、様々な取り組みを継続的に進めていくことで、より多くの会員事務所の利便性が向上することでしょう。AI活用が進むことで、会計業界全体が新たな成長フェーズに突入する期待が高まっています。
AI研究会の活動は、会計事務所だけでなく、顧客である中小企業にも良い影響を与えることが見込まれます。生成AIの活用を通じて効率化を図り、より質の高いサービスを提供していく姿勢が、今後の業界のスタンダードになるかもしれません。