Photonfocusの独自UVセンサの革新
1. エキシマレーザとその課題
精密な半導体製造や材料開発の現場では、エキシマレーザ(ArF: 193nm、KrF: 248nm)が重要な役割を果たしています。しかし、これらの波長帯域は一般的なCMOSセンサでは感知できず、従来は蛍光板や変換素子を利用した間接観測に依存せざるを得ませんでした。このような手法では、空間分解能が低下したり、定量的な評価が困難になるというデメリットがあります。また、パルス間の挙動が観測できず、光学アライメントの不確実性も課題でした。
2. PhotonfocusのUVカメラの特長
Photonfocusが開発したUVカメラは、汎用の撮影センサとは根本的に異なります。このカメラには深紫外(DUV)光子をシリコンで効率的に検出するための特殊なUV専用センサが搭載されています。これにより、200nm以下の波長を直接的に検出することができるのです。
このセンサは、以下のような技術的な利点を持っています。
- - DUV光子の吸収効率向上: 表面構造が最適化され、光子の吸収効率が高まります。
- - UV透過性を考慮: パッシベーション設計にも工夫が施され、UV光が効率的に透過します。
- - 特選Quartzウィンドウの採用: UVグレードのQuartzウィンドウが使用され、180nm以下の波長域でも問題なく使用可能です。
- - DUV領域感度特性の最適化: 特にDUV領域において優れた感度を実現しています。
3. 200nm以下の光の難しさ
この波長域の光を検出するのが非常に難しい理由はいくつかあります。
- - シリコン表面での極浅吸収: 一般的なセンサでは光が表面で吸収されてしまい、その後の処理が不能になります。
- - 保護膜・パッシベーション層による減衰: 通常のセンサでは光の減衰が避けられません。
- - センサ窓材の透過性不足: 通常の窓材ではDUV光が通過できないため、感知が不可能です。
4. エキシマレーザ評価の利点
PhotonfocusのUVカメラを用いることで、次のようなデータを直接的に観測可能になります。
- - ArFレーザおよびKrFレーザのビームプロファイル
- - パルスごとの強度分布の変動
- - DUV光学系における石英レンズやミラーの評価
- - UV照射位置の高精度アライメント
- - 材料表面へのDUV照射分布の可視化
これにより従来の蛍光板を介さず、空間分解能と定量的評価が維持されます。
5. 応用分野
PhotonfocusのUVカメラは多くの分野で利用が見込まれます。以下のような業界において、特にメリットがあります。
- - 半導体露光装置メーカー
- - エキシマレーザ装置メーカー
- - UVレーザ加工装置の開発者
- - 光学部品メーカー
- - 大学や研究機関における研究者たち
6. DUV測定の新たな展望
PhotonfocusのUVカメラによって、これまで「見えない」とされてきたDUV光の世界が新たに可視化されることとなります。このカメラにより、光学調整や装置の立ち上げ、評価プロセスが飛躍的に向上します。
7. カメラスペック
- - センサ : Photonfocus 独自のUVセンサ
- - 解像度 : 1280 x 1024
- - 画素サイズ : 7.4 um/pix
- - 最大フレームレート : 140 fps
- - インターフェース : 10GigE or GigE
- - レンズマウント : C
- - 外部制御用I/O
8. 企業情報
Photonfocus AGはスイス・ラッヘンに拠点を持つ産業用カメラメーカーであり、高速ビジョンやUV分野で20年以上の経験を積んでいます。彼らは自社開発のセンサを用いて産業用の精密なカメラを提供しています。公式サイトは
こちら。
また、日本国内では株式会社アプロリンクがこの製品を取り扱い、専門的な技術サポートを提供しています。千葉県船橋市に拠点を持ち、様々な画像処理機器を扱っています。公式サイトは
こちら。