冷凍野菜がもたらす新たな料理の潮流とその影響
食品ロスの削減や物価高が社会問題として取り上げられる中、冷凍野菜の人気が急上昇しています。クックパッド株式会社が実施した調査によれば、冷凍野菜を使用したレシピの検索が2015年と比べて約9.7倍に増加しており、特にブロッコリーやほうれん草、オクラなどが注目を集めていることがわかりました。このデータは、保存性の高い冷凍野菜が「生鮮の代替」から「家庭の定番」へと進化していることを示しています。
背景と現状
日本では、年間523万トンもの食品ロスが発生しています。この数値は、家庭でのサステナブルな食事作りにおける課題を浮き彫りにしています。特に、野菜は「余ってしまう」という問題が多く、どうしても消費しきれないことが多いのです。また、近年は天候不順や物流コストの上昇により、生鮮野菜の価格が高騰する現象が続いています。例えば、2024年の生鮮野菜価格は、玉ねぎ149.4、ブロッコリー125.9と高止まりしています。
これに対抗するため、冷凍野菜が選ばれ始めています。冷凍野菜は比較的安定した価格で供給され、必要な分だけを使える利点があるため、今日の食生活において重要な選択肢となっています。
冷凍野菜の検索数の急増
クックパッドの食の検索データサービス「たべみる」で分析した結果、2025年(1月から9月)の冷凍野菜レシピ検索数が前年比で36.7%増加していると報告されています。冷凍ブロッコリーの検索数は約9倍、冷凍ほうれん草は約4倍も増加しており、大規模な需要増加が見られます。さらに、2024年度の冷凍野菜の輸入量は過去最多の121万6825トンを記録し、2014年度比で33%の増加を達成しています。
国内でも冷凍野菜の取り組みが拡大しており、2025年には「第2回全国冷凍野菜アワード」で国産の冷凍野菜が金賞を受賞するなど、背景にある意識の変化が進んでいます。
より多彩な利用法
冷凍野菜の利用法は、副菜や汁物だけでなく、惣菜や揚げ物など多様化しています。冷凍インゲンの天ぷらや冷凍えだまめのかき揚げなど、調理の下処理が不要なため、毎日の食卓やお弁当に簡単に取り入れられています。すでに冷凍野菜は、当たり前のように私たちの食卓に乗る存在になっています。
食品ロス削減の新たな選択肢
冷凍野菜は、妥協的な選択から積極的な選択へと進化しているといえます。冷凍技術が進歩したことで、解凍後の食感が良好で、ドリップが少ないとの声も聞かれます。特に2025年は酷暑が予想され、食材のロスを減らしつつ、経済的な観点からも冷凍野菜の重要性が高まるでしょう。また、毎日の料理作りを楽しむために、クックパッドは新しい知恵やレシピを提供し続けます。
クックパッドが選ぶ冷凍野菜レシピ
クックパッドに投稿された冷凍野菜のレシピは、和洋中あわせて約10,000件もの数が掲載されています。副菜や主菜、スープまで多彩なレシピが揃っており、「一度に使い切れず余らせがちな食材」との組み合わせ提案も豊富です。特に人気のあるレシピには「かぼちゃの塩バターサラダ」や「ブロッコリーのパスタ」など、多くの料理愛好家に支持されています。
これからも、私たちの食卓がより豊かになるよう、クックパッドは冷凍野菜を利用した新しい提案を行っていきます。